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ハワイ、火山影響払拭へ-現地で年次総会、日本から100名参加

HTJ局長の高畑氏

(ホノルル発 本誌 大宗憲知) ハワイ州観光局(HTJ)は2019年、今年5月に噴火したキラウエア火山の影響を払拭することに注力していく。HTJの本局にあたるハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)が10月1日から3日にかけてホノルルで開催中の年次総会「Global Tourism Summit」のなかで、HTJ局長のエリック高畑氏と局次長のミツエ・ヴァーレイ氏、ハワイ島観光局局長のロス・バーチ氏が日本のメディアに対して説明した。

 キラウエア火山は今年5月3日に噴火。日本でもテレビなどを通して溶岩流の威力や有害ガスの可能性が報じられるなどし、需要にも影響。日本市場では、特にパッケージ商品に影響が出ており、噴火以降に売上が半減してしまっている旅行会社もあるという。

 バーチ氏は、ガスの放出量や地表の隆起など4つの指標を研究者が観測した結果、現在は休息状態と判断されており、一部閉鎖されている場所もあるものの9月22日よりキラウエア国立公園は観光ができる状態にあるとして安全をアピールした。

(右から)とHTJ局次長のヴァーレイ氏、ハワイ島観光局局長のバーチ氏

 こうした状況下でHTJは、発生直後から情報の収集と発信に努める「フェーズ1」、ハワイのファン層に働きかける「フェーズ2」の活動を展開。そして夏には、広く需要を喚起する「フェーズ3」を開始し、日本航空(JL)とハワイアン航空(HA)と共同で「今こそハワイ島に、行こう。」キャンペーンを開始した。

 ハワイ島への需要喚起は19年も引き続き取り組む方針で、バーチ氏は「逆にチャンスと捉え新しいプロモーションを実施していく」として、ハワイ島の持っている観光素材を日本市場に紹介し、旅行会社と協力して取り組んでいきたいと意気込みを語った。

 また、ヴァーレイ氏も「今までのハワイ島へのパッケージ商品はキラウエアがないと成り立たなかった」と語り、この機会にHTJとしても新たな商品開発を促進して需要を拡大できるようサポートしていきたい考えを示した。

 また、高畑氏はハワイ島以外でも、19年は全日空(NH)がA380型機でホノルル線の運航や、テクノロジーの進化によるFITの増加などの環境変化に対応していく方針も説明。加えて、19年にはJTBとの共同キャンペーンで大幅な需要増もめざしていると明かした。

 なお、Global Tourism Summitは2016年から開催しているもので、3回目となる今年は日本市場から旅行業関係者100名とメディア4名が参加。昨年に引き続き行われた学生のディベート大会ではAIについて議論されるなど、テクノロジーについてのセッションも多いサミットとなっている。3日から5日にかけては、ハワイ島の現地視察も予定している。