itt TOKYO2024

クラツーがテレビ番組制作、「テーマ旅行」を訴求、テレビ東京と

新規顧客の開拓に番組を活用、独自商品開発も
店舗連携で販促に取り組む

 クラブツーリズムはテレビ通販事業を手がけるテレビ東京ダイレクト、小山薫堂氏が代表を務めるN35インターナショナルと、旅番組「旅スルおつかれ様~ハーフタイムツアーズ」を企画・制作し、10月から1年間、テレビ東京で放映する。目的志向型の「テーマ旅行」の販売強化に向けた取り組みで、国内外のツアーに参加する旅行者にスポットを当てる。クラブツーリズムはこれまで、既存のテレビ番組とタイアップによる販促は実施してきたが、長期間放映する番組制作に携わるのは今回が初めて。番組制作の意図や今後の展開について、同社テーマ旅行本部アシスタントマネージャーの石井芳治氏に話を聞いた。


-テレビ番組の制作に至ったきっかけを教えてください

石井芳治氏(敬称略) テレビ東京ダイレクトとは共通の取引先にお引き合わせいただいた際に、「2社で何か面白いことができるのでは」という話をしたことが協業のきっかけ。昨年末からいろいろと話すなかで、N35インターナショナルを交えて番組制作で協業することになった。テレビ東京ダイレクトは視聴者との接点を重視し、視聴者に身近に感じてもらう番組作りをしていると思う。我々も旅行者との距離は近いので、空気感が合った。

 番組制作にはクラブツーリズムの国内、海外、バス、テーマ旅行の社員なども協力しており、会社として映像コンテンツの活用に本気で取り組もうとしている。私自身は番組のテーマカラーや音楽、タイトル、コンセプト、構成の決定や出演者の選定まで関わっており、現在はほぼ毎日のように関係者とミーティングしている。これまで旅行会社の社員としてツアーを造成してきたが、番組の制作に携わる機会があるとは思っていなかった。


-テーマ旅行を取り上げる理由は何ですか

石井 クラブツーリズムでは20年前からテーマ旅行を企画・販売しているが、近年は特に取り組みを強化している。旅行商品は主に会員誌「旅の友」で販売しているが、紙のようにスペースが限られた中では、目的志向型で時にはマニアックなイメージも抱かれるテーマ旅行の魅力を打ち出し、実際の購買に結びつけるのは難しい。以前からテレビやウェブ動画などで時間をかけて魅力を訴求したいと考えていた。番組を通して旅の魅力を継続的に伝えていきたい。当初の予定は1年だが、1年以上継続できればと考えている。

 面白い番組を制作することはもちろん、収益を得て事業化するための仕組みづくりが重要だ。番組を通して新規顧客を獲得し、テーマ旅行の売上を伸ばしたい。番組のターゲットは定年退職した人や、子育てが一落した人など「手帳が埋まっていない人」。もともとテーマ旅行の申込みが多い、関東圏で集中的に放映し、これまで十分にテーマ旅行の情報を訴求できていなかった方々を取り込みたい。なお、放映後の動画はウェブサイトの特設ページでも見ることができる。