日本の「わらアート」が西オーストラリアへ

  • 2018年8月9日

「ヨーク・フェスティバル」ロゴ 西オーストラリア州政府観光局(TWA)によると、同州内陸部のヨークで開催される「ヨーク・フェスティバル」で、日本の「わらアート」の作品が展示されることが決まった。

 ヨークはもともとオーストラリア西部の内陸部を開拓する際の中継地点として栄えた街の一つで、パースから約1時間の距離。開拓時代の面影を残し、現在はウェーブロックへの移動時に休憩で立ち寄ることも多い。ヨーク・フェスティバルは音楽や文化、食などをテーマとした老若男女が楽しめるイベントで、今年は9月8日から10月7日までの開催予定。

 一方、「わらアート」は、稲わらを束ねて大きな像を形作るもので、武蔵野美術大学教授の宮島慎吾氏が発案。NPO法人わらアートJAPANを結成し、日本各地で地元住民らとも協力しながら作品を作ってきた。

 今回のヨーク・フェスティバルでは、宮島氏によるデザインをもとにアーティストの守屋陽氏が現地で制作。稲わらは利用できないことから、地元の麦わらを用いるという。デザインは、オーストラリアで絶滅の危機に瀕しているというビルビー、クビカシゲガメ、シロハラガエルの3種とした。

 TWAによると西オーストラリア州の小麦は、日本国内で流通する讃岐うどんの原料の8割を占め、あるいは麦焼酎などの原料としても輸入されており、ヨークは州内でも有数の小麦生産地であることから、今回のわらアート展示によって文化交流が深まることを期待しているという。