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Ctrip、日本でも「Trip.com」を強調-年内にコールセンター

  • 2018年8月7日

ツェン氏 このほど来日したCtripグループ副総裁コーポレートアフェアーズ担当のヴィクター・ツェン氏は本誌の取材に応じ、日本市場での戦略について語った。同社は中国以外でのブランド名を「Ctrip.com」から「Trip.com」に変更する「デュアル・ブランド戦略」を採り、新ブランドによる知名度向上などをめざしているが、今後は日本でも各種の施策やキャンペーンなどでアピールする考え。ツェン氏は、「年内には日本国内にコールセンターを開設する」とも語り、日本語話者の中国人ではなく日本人による対応で満足度の強化に努める考えを示した。

「Trip.com」のロゴマーク   同社は昨秋、グローバルな事業拡大に向け、シリコンバレーに拠点を置き、現地アクティビティ商品などの情報サイトを運営していたスタートアップ企業のTrip.com社を買収。その後、「Ctrip.com」から、中国の企業であることを強く連想させる頭文字のCを外す形で、新たな「誰もが理解しやすく覚えやすいブランド名」を作り、中国以外での認知度や知名度を高める方向に転換している。なお、ツェン氏によればTrip.com社のスタッフは、同じくCtrip.comが買収した比較検索サイト運営のスカイスキャナーに移籍したという。

 日本では今年6月に、三井住友カードとの提携によりUnionPay(銀聯カード)ブランドによる「Trip.comグローバルカード」を発行(リンク)。Ctripが中国以外で提携クレジットカードを発行するのは初めてのことで、同社は「日本市場でのイメージや信頼度の向上につながる」とアピールしている。

球場の大型ビジョンに映し出された「Trip.com」の広告(提供:Ctrip) 7月16日には、福岡ヤフオク!ドームで開催された福岡ソフトバンクホークスのファンイベント「鷹の祭典」で入場者全員にチラシを配布してアプリのインストールを促し、先着400名にオリジナルのクリアボトルをプレゼント。また、同球場内の大型ビジョンには8月中旬まで広告を掲載し「Trip.com」の認知度向上をはかる。なおテレビCMなどによる大規模なプロモーションについては、現時点では予定していないとのこと。

 コールセンターの開設についてツェン氏は「欧米市場ではメールやチャットなどによるコミュニケーションが問い合わせ対応の中心となっているが、アジアは異なる。また、同じアジアでも問い合わせの内容やタイミングなど、各国で傾向は異なる」と説明。それぞれの市場に則した対応に努める姿勢を見せた。

 同社は今後10年間のグローバル売上高については「継続して20%増から30%増をめざす」としているが、市場シェアの面でまだまだ小さい日本に関しては、それ以上の成長をめざす方針。今後も比較検索サイトとの連携強化などにより海外航空券などの販売を強化する考えで、18年に入ってからの売上高は「前年比100%以上」の伸びを見せているという。

 なお、日本のOTAなどのM&Aについては「チャンスがあれば検討するが、現時点で計画はない」と語り、当面は14年に設立した日本法人による自力での成長をめざす方針を示した。