ジャルパック、ハワイを「最重要方面」に、コナ線活用

  • 2017年7月19日

(左から)海外業務部海外業務グループ長の中井策太郎氏、代表取締役社長の藤田氏、国内業務部国内業務グループ長の安達健太郎氏  ジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏は、7月19日に開催した2017年度下期の商品発表会で今後の販売方針について説明し、「ハワイを最重要方面として今まで以上に強化する」と意欲を示した。ハワイについては日本航空(JL)がこのほど、9月15日に成田/コナ線のデイリー運航を開始する計画を発表したところ。藤田氏は「オアフ島以外にもう1つの拠点ができたので、2島間の周遊型ツアーにも取り組みたい」と語り、専用のパンフレットで認知度向上などに取り組む考えを示した。

 ハワイ方面については、17年度上期は前年比6%減の3万7000人を見込み、下期は4%減の3万9000人を目標とする。藤田氏はともに前年を下回る理由として、JLの機材更新の影響でビジネスクラスやプレミアムエコノミークラスが増えた一方、エコノミークラスが減少して、総座席数が減少したことなどを挙げた。18年度以降については「JLの路便計画次第だが、座席の減少も一巡するので、プラスに転じたい」と話した。

 このほか、近年は造成を取り止めているハワイの離島を巡るツアーについても「大きな課題と感じており、しっかり取り組んでいきたい」と説明。現地のホテルなどの仕入れ競争が激化しているが、現地法人を活用して関係を強化するとした。

 9月1日からデイリー運航を開始するメルボルン線についても、コナ線と同様に需要喚起に取り組む考えを述べた。ただし同路線についてはビジネス38席、プレミアムエコノミー35席、エコノミー88席のボーイングB787-8型機を利用しており、エコノミーの席数が少ないことから、取扱人数に与える影響については「保守的に見ている」と述べた。

 藤田氏はそのほか、これらの2路線を使う周遊商品について、復路は他の路線を使うケースが多いことを説明。行きはコナ線で帰りはホノルル線を、行きはメルボルン線で帰りはシドニー線を利用するツアーが多いことから、コナ発便とメルボルン発便の搭乗率への影響に懸念を示し、現地発便を利用する商品の造成にも取り組む考えを示した。

 同社は先ごろ17年下期の海外旅行商品を発表したところで、取扱人数の目標は2%減の10万1000人。藤田氏は「海外の政情の不透明感はあるが、上期は為替や燃油費が比較的安定し、テロの不安も落ち着いてきた。下期もこうした傾向が継続するだろう」と語った。

 欧州については5月のマンチェスターでのテロ事件以降、新規予約が伸び悩んでいるが、昨年の下期の落ち込みの反動などで、前年を上回る見込みという。藤田氏は「2名催行の商品を増やすなどした結果、ツアー催行率は高い」と伝えた。

 成田/パリ線の減便については「影響は大きいが、羽田/ロンドン線の増便も決まったので今後も頑張っていきたい」とコメント。そのほか朝鮮半島の情勢不安については、韓国へのツアーが大きく減少していることを説明した上で、「今後の影響が懸念される」と語った。

※訂正案内(編集部 2017年07月20日16時30分)
・訂正箇所:8段落第1文
誤:羽田/パリ線の減便については「影響は大きいが、成田/ロンドン線の・・・

正:成田/パリ線の減便については「影響は大きいが、羽田/ロンドン線の・・・
お詫びするとともに訂正いたします。