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JTB総研が緊急調査、5月までの海外旅行市場を分析

  • 2016年6月16日

 JTB総合研究所(JTB総研)は、このほど実施した「2016年の海外旅行についての緊急調査」の結果を発表した。同調査は2016年1月以降、日本人出国者数が4ヶ月連続で前年比増となった一方で、主要旅行会社の海外旅行パッケージ商品の取扱人数が連続して前年比減となるなど、市場に変化が現れていることを受けて実施したもの。調査の結果、熟年層についても旅行商品の申し込みの多くがウェブサイト経由であることなどが明らかになった。

 調査期間は5月16日から20日までで、全国の15歳から79歳までの男女4万人を対象にインターネット上でスクリーニングを実施。このうち14年1月以降に海外旅行をした3399名を対象にアンケート調査をおこなった。対象者のうち16年1月から5月までの間に海外旅行をした人数は1349人だった。

 16年1月から5月までの間に海外旅行をした人の目的を見ると、「観光旅行・レジャー」が74.6%で最も多く、次いで「家族・友人訪問」が13.7%、「業務出張」が11.6%となった。性別および年齢別の割合では、15歳から29歳までの女性が18.2%で最も多く、60歳以上の女性が13.2%、15歳から29歳までの男性が13.0%と続いた。JTB総研ではゴールデンウィークの日並びの良さなどから、休みを取得できた働く若年層の需要が大きくなったとの見方を示している。

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 観光を目的とした旅行先を方面別に見ると、1位はアジアで全体の48.3%と約半数を占めた。このうち国別で最も多かったのは、昨年まで減少傾向にあった韓国で11.3%。次いで台湾が9.6%、タイが6.6%となった。JTB総研では韓国旅行の動機として「コンサートやイベントに参加したかった」などが多かったことから、韓国の文化や芸能などに対する固定的なファンの存在が増加を後押ししたとの見解を示している。このほか、アジア以外では欧州が15.0%、ハワイが13.2%、北米が8.0%となった。

 人気の旅行先を性別と年齢別で見ると、韓国は30代女性が最も多く、全体の19.5%を占めた。台湾は15歳から29歳までの男性が14.2%、欧州は60歳以上の女性が23.0%、ハワイは50代女性が18.8%でそれぞれで最も多かった。

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