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中部、15年度は増収増益、商業事業が空港事業上回る

  • 2016年5月17日

 中部国際空港によると、2016年3月期(15年4月~16年3月)の連結業績で、売上高は前年比12.1%増の552億3700万円となり、開港以来過去最高を記録した。営業利益は41.0%増の79億9300万円、経常利益は58.3%増の68億4300万円、当期純利益は64.2%増の45億3900万円。経常利益と純利益は過去最高益だった。営業費用は8.3%増の472億4000万円。

 同社代表取締役副社長の各務正人氏によると、中国や台湾などへ新規路線開設および増便により、国際線旅客数が増加。あわせて訪日外国人旅行者の増加により、免税店の売上高が大きく伸長した。

 売上高のうち空港事業は1.5%増の262億7000万円。国際線は新規就航や増便により6億5000万円の増加で、国内線は機材の小型化などにより3億8000万円の減少となった。その他は1億1000万円の増加だった。

 航空旅客数は5.3%増の1042万人で、国際線は日本人旅客数は3.8%減と減少したが訪日外国人旅客数が44.6%増と大きく伸長し、合計では8.8%増の489万人となった。国内線は2.3%増の552万人。航空機発着回数は6.0%増の9万7000回で、国際線は10.6%増の3万7000回、国内線は3.3%増の6万回だった。各務氏は路線誘致の取り組みに加えて、中部運輸局などと推進している「昇龍道プロジェクト」の成果が現れたとの見方を示した。

 商業事業の売上高は26.6%増の265億9000万円で、空港事業の売上高を上回った。訪日外国人旅行者の増加により免税店売上高が過去最高額を大幅に上回ったほか、イオンモールと実施中の地域活性化プロジェクトなども売上増に寄与した。駐車場運営などの交通アクセス施設事業は0.6%減の23億7000万円だった。

 16年度の売上高は7%増の592億円、営業利益は5%増の84億円、経常利益は2%増の70億円、当期純利益は2%増の46億円を見込む。営業費用は8%増の508億円。各務氏は「航空事業、商業事業の両足で少しずつ前に進めるように、施設面の準備や体制の整備をおこなっていく」と意欲を示した。

 航空旅客数は、15年度の新規就航・増便分の通年化や、エアアジア・ジャパン(DJ)などの新規就航を踏まえて10%増の1150万人を予想。このうち国際線は過去最高となる14%増の560万人、国内線は7%増の590万人を見込む。国際線については、路線のない豪州や、エアアジアX(D7)が運休中のクアラルンプール、ガルーダ・インドネシア航空(GA)が就航を延期しているジャカルタについて、「早期に復活し、計画通りに飛んでもらうようにしたい」とコメント。また、地域経済の要望を受け、アメリカン航空(AA)に対しダラス線直行便の就航を働きかける考えを示した。