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南極・北極セミナー開催、「説得」で高額商品のリピート促進

  • 2016年4月4日

南極に上陸した旅行者  極地クルーズ大手の米国クォーク・エクスペディションズ社の日本地区正規代理店であるクルーズライフは、このほど旅行会社向けの「南極&北極セミナー」を開催した。すでに30回以上極地を訪れている同社代表取締役の伊藤栄治郎氏は冒頭で、「南極や北極は誰もが憧れる未知の世界だが、日本では情報が少ない。旅行できることを知らないお客様もいる」と述べた一方で、今後の成長の余地もあることを強調。「極地旅行は確かに高額で、2週間で高級車を買えるお金が飛んでいく。しかし一生ものの感動的な思い出になることは間違いない」と語り、参加者には積極的なツアーの造成と、正確な情報提供による「お客様の説得」を呼びかけた。

クォーク社のプッシュ・シェッティ氏  セミナーでは最初に、来日したクォーク社シニア・ディストリビューション・マネージャーのプッシュ・シェッティ氏が、同社の南極クルーズと北極クルーズについて紹介。「地球上でも数少ない、自然が支配者となり人間が部外者となる世界を堪能することができる」と語り、特異な自然環境やそのなかで生きる生物、それらを身近に感じることのできる同社のクルーズ船の魅力について説明した。

 同社の南極クルーズの主力船の1つである耐氷船「オーシャン・ダイヤモンド」(総トン数8282トン、定員189名)については、快適さをアピールするとともに、地理学や生物学、さらには「ペンギン学」など、各分野の専門家が乗船して乗客をサポートしていることを説明。そのほか日本人スタッフも1名乗船していることを強調した。出発地となる南米の最南端と南極大陸の間にある、世界で最も荒れる海域の1つとして知られるドレイク海峡については、小型飛行機でスキップするオプションを用意していることなども紹介した。

航行中の「オーシャン・ダイヤモンド」 伊藤氏は、南極・北極ともに旅行シーズンの気温は「マイナス5度からプラス5度くらいで、極端に寒いわけではない」と説明。「極地旅行については危険なイメージも持たれがちだが、特別なものではない。欧米に行くように気軽に行ける」と強調し、「クォーク社のクルーズ船には極地を熟知したスタッフが乗船していて危険はない」と伝えた。また、同船や「オーシャン・エンデバー」などを利用する一部のコースについては、クルーズライフの日本人通訳者が乗船して、船内講座や船内放送を日本語に通訳していることも説明した。

 一方で、極地や船内には病院などはないため先進的な医療は受けられないこと、南極は国際条約によって厳しい管理下に置かれており、1日に上陸できる人数が限られていること、ペンギンに接近してはいけないこと、トイレや桟橋などの設備がないことなど、旅行の際には一定の制約があることについても述べた。

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