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トルコ、16年は回復に向けファム倍増、「テーマ性」重視

  • 2016年3月6日

日本担当ディレクターのアリ・カラクシュ氏  トルコ大使館文化広報参事官室はこのほど、報道関係者向けの昼食会を開催し、今年の日本市場におけるプロモーション方針を説明した。本誌の取材に応じた日本担当ディレクターのアリ・カラクシュ氏は、昨年は6回実施したファムツアーを今年は11回から12回程度にまで増やし、減少している日本人旅行者数の回復に努める考えを明示。あわせて「これまではデスティネーションの紹介に重点を置いていたが、今後はオイルレスリングや、ユネスコの無形文化遺産に登録された影絵芝居などを軸に『ユニークでテーマ性の高い旅』を提案していきたい」と強調した。

 トルコ文化観光省によれば、2015年の1年間に同国を訪れた日本人旅行者数は、前年比38.5%減の10万4847人。首都のアンカラにおける爆弾テロ事件の発生や、隣国のシリアなどにおけるISILの勢力拡大、それに伴う難民の流入などが影響し、主要国のなかでは最も減少幅が大きかった。

 現在の状況を受けてカラクシュ氏は「一定の影響を受けているのは事実」と説明。一方で「昨年11月のG20アンタルヤ・サミットなど、我が国では継続して国際的なイベントを開催している。大きな脅威にさらされているように思われているが、観光への問題はない」と主張した。また、重点地域と位置づけるエーゲ海地方南部や地中海地方西部などについては、引き続きアピールに注力する考えを示した。

公使参事官のデハ・エルペッキ氏  カラクシュ氏に先立ち挨拶した公使参事官のデハ・エルペッキ氏も「隣国ではテロ活動が活発化しているが、それでも昨年には3600万人の外国人旅行者が我が国を訪れた」とアピール。あわせて「観光業への影響に抗うために、日本のマスメディアの皆さんには味方になってもらいたい」と述べ、出席者に協力を呼びかけた。ちなみに15年の全世界からトルコへの旅行者数は1.6%減の3624万4632人で、小幅な減少にとどまっている。

マーケティング担当の大森正光氏  マーケティング担当の大森正光氏は「第653回クルクプナル・オイルレスリングプレスツアー」や「リキアンウェイ・ウルトラ・マラソン体験プレスツアー」など、16年に予定する8つのプレスツアーについて紹介した。参事官室ではそのほかにも、旅行会社向けのファムツアーなどを実施して、合計で昨年の倍に近い数のファムツアーをおこないたい考え。いずれも特定のテーマやイベントなどに焦点を当てたもので、大森氏は「(デスティネーションの紹介に重点を置く)旧来のプロモーション方法では、通用しないことが分かってきた」と述べ、新たなプロモーション展開に意欲を示した。

 大森氏はそのほか、今年中には日本市場向けのウェブサイトをリニューアルする計画を進めていることを説明。ソーシャルメディアとの連動により、市場へのアピール強化をはかりたい考えを示した。