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日本旅館協会、民泊は「簡易宿所の取得を」、公平な競争環境求め

  • 2015年12月23日

日本旅館協会会長の針谷了氏  日本旅館協会会長の針谷了氏はこのほど本誌の取材に応え、自宅の一部やマンションの空室などを活用した、いわゆる「民泊」について「旅館業法で定める1業態である『簡易宿所営業』の許可を取得すべき」との考えを示した。旅館業法では旅館業を「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の4種に分類。簡易宿所営業については「宿泊する場所を多人数で共用する構造及び設備を設けてする営業」としており、ベッドだけの簡易宿泊所や山小屋、スキー小屋、ユースホステル、カプセルホテルが該当する。旅館業法では氏名や住所、職業などを記入する宿泊者名簿を備えること、延床面積が33平方メートル以上であることなどの規制が設けられている。

 同氏は「空いている部屋を貸し出し、ホームステイのように受け入れるような民泊までは反対しない」とした上で、現在の民泊の実態については、大多数が複数の空きマンションを借り、ビジネスとして外国人などに貸し出している形をとっている点を指摘。「ビジネスとして空きマンションを利用するのであれば、我々とどこが違うのか。そんなことが可能であるならば、旅館業法はいらないのでは」と訴えた。

 針谷氏は「我々が求めるのはイコールフッティング」と強調。「規制を強化するか緩和するかは国の方針次第」とした上で、民泊と既存の宿泊施設について「両方同じハードルにするべき」と述べた。また、Airbnbなどの仲介サイトについては「日本でビジネスをする以上、日本の法律を守るべき」と語り、仲介業者に対しても法律の遵守を求めた。

 このほか、同氏は民泊の「安心・安全」に対する不安や、税金の収受などの問題についても指摘。民泊で宿泊の地方分散がはかれるとの意見については「需要がないなかで供給を増やしても無理。宿泊施設の多様性を広げればいいという問題ではない」とし、まずは地域の魅力を伝え、需要を創出していく必要がある旨を説明した。

※インタビューの詳細は後日掲載予定