13年度の旅行業倒産件数、8件増の47件に-中韓の需要減響く、TSR調査

  • 2014年4月13日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、2013年度(2013年4月~2014年3月)の旅行業の倒産件数は、前年比20.5%増の47件(8件増)だった。全業種を含めた全国企業倒産件数は10.1%減の1万536件と前年を下回った。負債総額は62.7%増の46億3400万円(17億8700万円)だった。東日本大震災関連倒産は8件。

 TSRによると、震災の間接的な影響や領土問題などによる中国、韓国との関係悪化の影響で、中小零細の旅行会社を中心に倒産するケースが発生。海外旅行を取り扱う旅行会社では中国、韓国方面の不振による倒産が、国内旅行を取り扱う旅行会社では、団体旅行の伸び悩みによる倒産が目立ったという。

 期間中の主な大型倒産では、第1種旅行業で岡山県の日東トラベルが負債額5億円(4月)で、ビッグツアーとツアーオペレーターのパーフェクトアイズが負債額それぞれ1億8000万円と4億8000万円(7月)で、トラベル世界が負債額2億9800万円(9月)で破産。第2種旅行業では沖縄のサザンツーリストの負債額4億2000万円(6月)、東京都の中央旅行の負債額2億1700万円などがあった。

 なお、3月単月では件数が1件減の5件、負債額は41.6%減の3億1200万円だった。震災関連倒産は0件。TSRは3月は業界環境の好転もあり比較的低水準だったと分析した。

 主な倒産は大阪府の第2種旅行業の関西ツーリストで、負債総額は推定1億5000万円。同社は当初はスキーツアーを主催。1995年7月期の年商は約16億円だったが、パンフレット作成などで費用がかさみ、最終赤字を計上するなど採算面の課題から2007年ごろにスキーツアーの取り扱いを中止した。以降、中高年向け山歩きツアーや、映画や演劇などプレイガイド業務を手がけてきたが、ツアーの団体客の獲得が伸び悩み、2012年7月期の年商は約7億円まで減少。業務低迷からの脱却に至らなかったことから事業継続を断念したという。

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