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シンガポール、好調維持、課題はリピーター-FAM強化も

  • 2014年1月21日

(右から)STB北アジア局長のジェラルディン・ヨウ氏、SQ日本支社長のデイヴィッド・リム氏 シンガポールへの需要が引き続き好調だ。シンガポール政府観光局(STB)とシンガポール航空(SQ)は1月20日に旅行業界向けレセプションを開催。冒頭挨拶したSTB北アジア局長のジェラルディン・ヨウ氏は、日本人訪問者数が2013年9月の段階で36ヶ月連続で前年を上回っており、「2014年も継続すると期待できる」と強調。その上で、マリーナ・ベイ・サンズとリゾート・ワールド・セントーサ以降も続く開発により、さらに日本人旅行者を惹きつけられると自信を示した。

 シンガポールへの日本人訪問者数は、2009年に50万人を下回り、SARSの影響を受けて大きく減少した2003年に迫る落ち込みを見せたが、大型開発などが注目された結果として2010年は7.9%増、2011年は24.1%増とV字回復。2012年には15.3%増の75万6000人となり、2002年以来の70万人台を回復した。

 2013年は、統計の発表されている9月までの累計で11.7%増の61万9374人となっており、通年では80万人の突破も視野に入れる。現在の日本人の旅行動向としては、業務渡航の中心層となる中年男性を除けば年齢や性別に関係なく訪れている。また、レジャーでの訪問者は平均3.17人のグループでシンガポールを訪れ、3.72日を過ごしているという。

 加えて、レジャーに限ると新規の訪問者数の増加が顕著。2008年にはリピーターが58%であったが、2012年は44%まで減少。このほか、パッケージツアーでの訪問者も増えており、2010年は17%であったところから、2012年は34%と倍増した。現地消費額も1人あたり5%程度伸びているという。

 今後の課題は、増加した新規訪問者のリピーター化。STBアシスタントマネージャーの佐久間麻耶氏のプレゼンテーションでは、2013年4月に開業した「リバーサファリ」や「マリンライフ・パーク」、新ホテルなどを紹介。また、現地で開催される各種のイベントにも触れ、新しい話題として、女子テニスのツアー最終戦である「WTAチャンピオンシップ」が2014年から2018年まで開催されることも伝えた。

 さらに、2014年の活動方針として、FAMツアーへの注力もかかげる。メディア向けと旅行会社向けを合わせて従来は年間20回程度であったが、今年は倍増をめざす。これにより消費者への情報発信の強化と、受け皿となる旅行商品の充実を進めていく考えだ。

 このほか、SQ日本支社長のデイヴィッド・リム氏は羽田線の増便を強調。羽田で3便、成田で2便、合計で1日5便となることで選択の自由度が増して利便性が高まるとアピールし、集まった旅行会社に販売を訴えた。

 また、SQではファースト、ビジネス、エコノミーの全クラスについて座席を刷新したボーイングB777-300ER型機の投入路線を拡大しているところだが、同機材の日本路線への投入も「まもなく」であるとの見通しを示した。