ドイツ、13年は若者とワーグナー、グリムに焦点-電力関連も

  • 2012年11月11日

プレス発表会の様子 ドイツ観光局は2013年、若年層の需要獲得をメインテーマに据えるとともに、ワーグナーの生誕200周年、グリム童話の誕生200周年をフックにした誘客プロモーションを展開する。このほど開催したプレス発表会で、ドイツ観光局ディレクター・マーケティングの西山晃氏らが説明した。

 若年層向けのプロモーションでは、「若者のためのドイツ(仮称)」をタグラインに設定。ドイツ人の若者が外国人にお勧めするスポットなどをインタラクティブな地図に表示するアプリを製作するほか、ドイツでの旅行中に特典を受けられるブレスレットと紙の地図なども用意する計画。ブレスレットはドイツ国内の若者向け宿泊施設で配る予定だが、日本国内での配布も検討しているという。

 また、ワーグナー200周年では、ワーグナーと関わりの深い町やイベントをアピール。例えば、生誕の地であるライプツィヒでは、歴史博物館で2月26日から特別展が開催されるほか、ワーグナー音楽祭も5月に予定されている。また、ドレスデンとその郊外のグラウパ、ニュルンベルク、ミュンヘン、バイロイト、チューリンゲン地方のアイゼナッハなどにも焦点を当てる。

 一方、グリム童話は1812年12月20日にグリム童話が初めて出版されたことを受け、ドイツ観光局とヘッセン州が2013年をグリムイヤーと定めたもの。メルヘン街道を中心に、カッセルで開催されるグリム特別展やシュタイナウでの人形劇イベントなどを紹介していく。

 このほか、東日本大震災と原発事故を受けて脱原発の方針を明確化したドイツの、再生可能エネルギー関連における先進的な取り組みなどについて、視察ツアーなど渡航需要の高まりも見込む。

 ドイツ観光局アジア・オーストラリア地区統括局長のペーター・ブルーメンシュテンゲル氏は、「(ドイツの再生可能エネルギーへの取り組みが)日本よりも25年ほど先に進んでいるかもしれないが、手本にしてもらいたいということではなく、ドイツも日本の英知を必要としている」とし、2国間の協力関係の強化に伴う訪問者の増加に期待を示した。