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JATA、東北復興支援「目に見える形で」-視察ツアーで1000名派遣

  • 2012年9月18日

 日本旅行業協会(JATA)は、東日本大震災の影響で需要が落ち込んだ東北の復興支援をはかり「JATA東北復興支援1000人プロジェクト」を実施する。これは、JATA会員旅行会社や国内外の観光関係団体などから計1000名を集め、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の東北6県で視察ツアーをおこなうもの。JATA会長の菊間潤吾氏は「目に見える形で旅行業界としてできることを検討してきた」とし、「一過性でなく継続的に観光振興に取り組み、商品化して送客していくことが復興に役立つ」とプロジェクトの意義を述べた。

 JATAでは菊間氏を委員長とする「東北復興支援1000人プロジェクト推進委員会」を設け、JATAをあげてプロジェクトを推進していく。参加者は会員旅行会社のスタッフに加え、各国の大使館や観光局、マスコミなどにも参加を呼びかけ、旅行業界全体で東北復興を支援していく考えだ。

 プロジェクトではJATAと東北6県が協力し、視察のための研修コースを各県で4コース設定。各県100名から350名程度を派遣し、着地型や体験型など、新しい旅行商品の造成などのため、各県の新たな魅力の発見をめざし実地調査をおこなう。加えて、より調査を有効にするために現地でセミナーや意見交換を実施する。終了後は商品造成や販売促進につながるようフォローもしていく考え。

 実施日は12月3日から4日の1泊2日で、一部日帰りコースも用意。往路は東北新幹線の専用貸切列車を使い700名を送客し、貸切バスや現地直接集合を含め、1000名の参加を見込む。

 参加費は原則無料で、9月中に視察のモデルコースを決定し、10月から募集を開始する。モデルコースでは「世界遺産『平泉』と遠野・釜石コース」といった定番の観光地をめぐるものから、2013年の大河ドラマ「八重の桜」の新島八重を取り上げた「土湯・温泉遊びと会津・八重の軌跡をめぐるコース」を設定。さらに、「南三陸・登米・気仙沼ボランティアコース」のように、ボランティア活動を実施する研修ツアーも設けた。