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業界人が語る2011年実績と市場予測-読者アンケート(1)

  • 2012年1月26日

アジア強し、安・近・短の傾向は継続ヨーロッパやハワイ、国内旅行を挙げる声も

 震災後の4月下旬に訪れた店舗。平日にもかかわらず混み合っていた 2011年好調だったデスティネーション、もしくは売り上げを伸ばしたデスティネーションについての質問(複数回答)では、「アジア」が106人中52人とほぼ半数を占めました。また、ヨーロッパやハワイ、ミクロネシア、国内を挙げる人もいました。

 アジアでは、「安・近・短の最たるもの」(第3種旅行会社営業、50代後半、男性)という韓国(都市ではソウル)が人気で、「韓流ブームとウォン安」(その他旅行業営業、20代前半、女性)という回答が目立ち、特に最近では韓流やKPOPブームが後押しした可能性が伺えます。「最近、海外ではないという感じになってきた」(第1種旅行会社営業、50代後半、男性)、「女性のリピーター客増加が売り上げを伸ばしている」(その他旅行業企画、20代前半、男性)などの意見もありました。旅行需要を喚起する要素として安・近・短といえるデスティネーションはやはり強いようです。また、台北、上海、香港、北京などの都市も挙がっていました。

 アジアと回答した人の中には「(震災の影響で)遠距離の旅行に出かけることに不安を感じたのでは」(第2種旅行業カウンター、30代前半、女性)という意見もありました。ただ、中・長距離のデスティネーションも不調であったわけではないようで、ヨーロッパと回答した人は20人、ハワイは14人でした。ヨーロッパについては、円高だけではなく、「ドイツ・ロマンティック街道をからめ中欧ツアーが売れた」(第3種旅行会社営業、60代、男性)、「FCバルセロナ観戦の方が増えた」(第1種旅行会社企画、40代後半、男性)など、その多様性を挙げる声も。また、業務渡航を取り扱う旅行会社では、「国際会議(学会)が多かった」(第3種旅行会社営業、50代前半、男性)との理由を挙げた人もいました。

 国内との回答も多く、18人。全体的に西日本が好まれる傾向があり、九州新幹線の開通などの理由が挙がっていました。その一方で、ボランティアを兼ねたパッケージツアーへの申し込みや復興支援のために被災地を訪れるという需要もあったようです。また、ハワイやミクロネシア(都市ではグアム、回答者数は8人)は、「グアムのウェディングが好調であった」(第1種旅行会社カウンター、30代前半、女性)など、ウェディング需要が堅調でした。なかには、「国内で結婚式をできないお客様や公に盛大な結婚式をできないお客様が、円高・安心・快適なハワイへ、海外ウェディングを実施するため、たくさん来訪された」というように、震災の影響と考えられる回答も目立ちました。