学生海外旅行は「学び」重要、玉川大学が公開シンポジウム開催

  • 2010年3月8日
 玉川大学経営学部は3月7日、「若者が望む海外旅行を考える」と題して公開シンポジウムを開催した。観光庁の「若年層アウトバウンド促進事業」との連携事業で、観光庁と国連世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋センターが後援。シンポジウムは、ジャルパック代表取締役副社長の木島茂雄氏、ハワイ州観光局(HTJ)代表の一倉隆氏、ダイヤモンド・ビッグ取締役会長の西川敏晴氏がパネリストとして登壇し、学生とともに意見を交えた。

 シンポジウムに先立って、玉川大学から、在学生の海外旅行の実態に関する調査結果の紹介や、大学主催の海外研修に参加した学生からの報告を実施。また、学生が企画した「海外研修プログラム」として、タイでの日本語教師ボランティアを組み込んだツアーが報告された。

 シンポジウムでは、主に学生が海外旅行に行くきっかけや動機、障害などについて議論。その中で重視されたのは「学び」の要素で、「旅育」の重要性で意見が一致。例えば、学生からは「両親がお金を払って大学に通わせてくれているのに、遊ぶためだけに海外に行くのは気が引ける」旨の発言があり、タイの日本語教師ボランティアプログラムも修了後に単位として認定することで周囲、あるいは自分への説得材料とする工夫が見られた。

 こうした傾向は「はっきりした目的や理由がないと旅行に出られない」(西川氏)ことの裏返しとも考えられるが、「価格が重視される学生旅行はやや苦手とする分野」という木島氏は、「ボランティアや単位を取得可能な国際研究など、新しい旅行に興味を持った」とし、「今後に大変期待したい」と語った。

 なお、シンポジウムの詳細は後日掲載する予定だ。