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羽田国際線、「方面まんべんなく」−中国は最大1日20便

  • 2010年2月23日
 国土交通省航空局国際航空課課長補佐の田口芳郎氏によると、10月以降の羽田空港の国際線網は「ほぼすべての主要都市に向けてまんべんなく路線が形成される」見通しだ。先ごろのJATA経営フォーラム2010で、羽田空港の国際化施策について講演した際に説明した。再拡張後の国際線発着枠は、昼間と夜間早朝の時間帯それぞれ1日あたり40便。そのうち昼間は韓国と香港、台湾で24便、深夜早朝はアジア、北米、ヨーロッパの11ヶ国で36便が決定済みで、それぞれの発着枠を日本と相手国が半分ずつ確保。田口氏によると、方面によって温度差はあるものの、総じて全方面で就航意欲は見えているという。

 昼間時間帯のうちわけは韓国が1日12便、香港が1日4便、台湾が1日8便。残りの16便については、中国との交渉ですべて提供する用意をしているという。すでに定期チャーター便として運航されている1日16便を除く24便が実質的な増便分になるが、その多くが「北京、上海、ソウル、プサン、香港、台湾(松山)になるはず」で、「近距離アジアビジネスシャトル便のネットワークが強化される」見込みだ。

 一方、深夜早朝時間帯は韓国4便、香港4便のほか、シンガポール4便、マレーシア2便、タイ2便、米国8便、カナダ2便、ドイツ4便、オランダ2便、フランス2便、イギリス2便が合意済み。このうち「クアラルンプールやシンガポール、バンコクは就航が確実視されている」といい、「欧州系航空会社の意向は今のところ明確ではないが、日系航空会社は(それぞれ提携関係の深い航空会社のハブである)フランクフルトやロンドン、パリへの就航を検討していると聞いている」ところ。また、米系航空会社5社が就航意欲を表明した米国路線については、米政府が「一部をハワイやグアムに振り向けたい意向」を示しているという。残る4便は昼間時間帯と同様、中国との交渉用だ。

 なお、LCCが就航する可能性については、「日本側としてこばむ理由はないが、発着料が高いこともあり、普通であれば各国のフラッグキャリアが来るのではないか」とコメント。ただし、希望のスロットを取りやすい深夜早朝枠での就航や、チャーター便設定の可能性はあると指摘した。


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