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JATA、サーチャージ復活阻止で要望書提出へ−運賃一本化の検討会設置を提案

  • 2009年7月21日
 日本旅行業協会(JATA)は、燃油価格が上昇傾向にあることを受け、航空局に対して燃油サーチャージの再申請を認めないよう求める要望書を提出する考えだ。あわせて運賃への一本化も改めて要望する。7月17日に開催した海外旅行委員会で要望書の概要を確認しており、7月中の提出をめざす。JATA事務局長の奥山隆哉氏によると、要望の内容は「JATAが従来主張してきている通り、燃油サーチャージ制度を廃止して運賃に組み込むよう求める」もので、「旅行会社のエゴではなく、消費者の不信感につながっていることを訴えたい」考えだ。

 シンガポール市場の燃油価格は、世界同時不況の影響で2008年9月以降急落していたが、2009年3月12日に46.4米ドルを記録して以降再び上昇。日系航空会社2社をはじめ、多くの航空会社が10月から12月に適用する燃油サーチャージ額の目安とする5月から7月の平均燃油価格は、7月14日までで1バレルあたり約70.7米ドルだ。これを例えば日本航空(JL)の条件に当てはめると、2番目に低い水準ではあるものの燃油サーチャージが復活する。仮に残りの数週間で再び燃油価格が下落しても、3ヶ月の平均価格として燃油サーチャージ廃止の基準である60米ドルを上回る可能性が高く、このままでは復活は避けにくい状況だ。

 これに対して奥山氏は、「燃油サーチャージの制度は、もともと燃油価格の異常な高騰に対する緊急的な措置であったはず」と指摘。その上で、「3ヶ月間で60米ドルが74米ドルになることが本当に異常な高騰で、緊急の措置として対応しなければならないのか」との疑問を投げかけることで、制度の存続を阻止する考えを説明した。また、JATA燃油サーチャージ問題対策(FSC)チームリーダーの田端俊文氏も、公示運賃は1年に1度しか変更できないため運賃への一本化が困難になると課題を指摘し、「新しい仕組みを考えるための検討会の設置を航空局に要望したい」と語った。なお、「新しい仕組み」はフレックスフェアなどの可能性があるようだ。