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日本トラベル、破産手続開始決定−ANTAの認証申出開始、一部混乱が発覚

  • 2008年9月26日
 東京商工リサーチによると、9月9日付けで閉業した日本トラベルは9月16日、東京地方裁判所に破産手続開始を申立て、9月17日に破産手続開始決定を受けた。破産管財人は弁護士の杉山功朗氏。負債額は約3億7700万円。

 日本トラベルは全国旅行業協会(ANTA)の会員で、弁済限度額は7000万円。9月17日に最初の認証の申出があり、受付を開始している。ANTAによると、当初代理人を務めていた弁護士の熊隼人氏からは、債権者数は約185組400名、債権額は約6000万円との連絡があったという。ただし、閉業にあたって予約者に順次、送付していた「お詫びとご連絡」および「ご連絡書」を受け取っていない申込者からの問合せがあるといい、実際の人数や金額は現在のところ分からないようだ。


▽旅行者への通知の課題

 日本トラベルは海外旅行を中心に航空券手配や募集型企画旅行の実施、および他社の募集型企画旅行の代売をしていた。ただし、当時社長の塚越一嘉氏の名前で出した「お詫びとご連絡」では、9月11日以降のツアー予約はすべてキャンセルされていること、さらに出発予定があり既に送金している場合は、ANTAに弁済を受けるための認証申請をするように促していた。しかし、FITや他社のパッケージツアーを契約した申込者の中には、代金を支払ったeチケットや他社主催のツアーの契約が有効であることを知らずに旅行を中止したり、旅行をキャンセルしたために取消料が発生するケースがあるという。

 こうした場合には、弁済の対象にならず、一部で混乱が見られるようだ。ANTAによると会員が倒産の旨を消費者に通知する場合、通常はANTAにその文章の確認が依頼されていたが、今回は事前確認を求めることなく、逆にANTAが代理人に確認を申し出ても断られたという。倒産を個々に通知することは大切であるが、無用な混乱を避けるための案内にも配慮する必要がある例となっている。


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