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ANAHD、19年度1Qは売上高が過去最高-利益は先行投資で減少

  • 2019年7月30日

福澤氏  ANAホールディングス(ANAHD)は7月30日、2020年3月期(19年4月1日~20年3月31日)の第1四半期連結業績を発表した。売上高はゴールデンウィーク10連休の後押しによる国際線・国内線旅客事業の好調などにより、前年比3.2%増の5005億800万円。3年連続で増加するとともに、第1四半期の記録を更新した。

 一方、利益面は20年度の首都圏空港発着枠の増加を見据えた人材や機材、サービスなどへの先行投資などにより、いずれも2桁減。営業利益は19.4%減の161億7300万円、経常利益は12.3%減の170億3800万円、純利益は29.1%減の114億1800万円となった。営業費用は4.2%増の4843億円。なお、決算会見に出席した取締役執行役員の福澤一郎氏によれば、利益面の減少は期初の計画に織り込み済みで、営業利益については40億円の過達という。

 主力の航空事業の売上高は3.1%増の4397億円で、営業利益は22.9%減の141億円。このうち国際線の旅客収入は5.1%増の1641億円で、旅客数は0.1%減の約250万7000万人だった。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は3.2%増、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は3.3%増で、利用率は0.1ポイント増の75.4%。国内線は旅客収入が6.0%増の1662億円、旅客数が1.6%増の1084万人で、ASKは1.6%増、RPKは2.5%増、利用率は0.6ポイント増の67.1%だった。

 LCCは旅客収入が2.5%減の206億円で、旅客数が2.8%減の194万1000人。ピーチ・アビエーション(MM)とバニラエア(JW)の統合に向けた機体改修や運航乗務員の訓練などにより、一時的に運行便数が減少したことが影響した。ASKは2.5%減、RPKは3.3%減、利用率は0.7ポイント減の85.7%。

 旅行事業は売上高が6.0%増の382億円で、営業利益は4億円(昨年は0億円)。福澤氏によれば「引き続き弱い基調」ながらも、海外・国内ともに10連休の旅行需要を取り込み、売上高・営業利益ともに増加した。空港の地上支援業務などの「航空関連事業」の売上高は5.6%増の739億円で、営業利益は9.4%減の38億円。商社事業は売上高が1.6%増の375億円、営業利益は4.6%増の7億円だった。

 通期業績予想については前回予想を据え置き、売上高は4.5%増の2兆1500億円、営業利益は前年並みの1650億円、経常利益は2.1%増の1600億円、純利益は2.5%減の1080億円のままとした。福澤氏は日韓関係の悪化や米中貿易摩擦、中国経済の減速などについては「足元の影響はない」としながらも、下半期に影響が現れる可能性を懸念。一方で、9月に成田/パース線、10月以降に成田/チェンナイ線と新路線を開設することで、下半期に業績を引き上げたい考えを示した。

 なお、5月からA380型機の投入を開始している成田/ホノルル線については、第1四半期における搭乗率がマイル利用者込みで91%に上ったことを報告。第2四半期も9割程度で推移しており「順調」という。全利用者におけるマイル利用者の割合については明らかにしなかった。

※訂正案内(編集部 2019年7月31日10時15分)
訂正箇所:第6段落第3文
誤:チェンマイ

正:チェンナイ
お詫びして訂正いたします