観光庁、15年度概算要求は180億円-インバウンド推進で84%の大幅増

  • 2014年8月28日(木)

 国土交通省は2015年度の予算概算要求について、観光庁関係の要求額を今年度予算比84%増の180億700万円とした。国土交通省全体の要求額は17%増にとどまっており、観光庁では「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」や「日本再興戦略 改定2014」に従い、「着実にインバウンド政策を進めるため、予算についても大幅増の額を要求した」という。また、「復興枠」として「福島県における観光関連復興支援事業」などについても今年度と同額を要求。総計は79%増の185億5500万円となった。

 15年度は、「訪日2000万人時代に向けたインバウンド政策の推進」が91%増の162億1300万円と大幅に増加し、全体の9割を占めた。このうち成長戦略などの重点分野に対して設定した「新しい日本のための優先課題推進枠」として要望するのは117億7600万円。続く「観光地域づくり支援」も84%増の9億5800円で大幅増となった。以下は、主に日本人旅行者向けの施策に関する「観光産業振興」が9%増の6600万円、「観光統計の整備」が7%増の4億6000万円、「その他(経常事務費等)」が3%増の3億1000万円。

 「訪日2000万人時代に向けたインバウンド政策の推進」のうち、訪日外国人旅行者向けのプロモーションに関する「訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)」および「国際会議等(MICE)の誘致・開催の促進」「日本政府観光局(JNTO)運営費交付金」は、3項目合計で74%増の146億9300万円となった。なお、ビジット・ジャパン事業とMICEの誘致・開催促進については、2015年度から一部を除きJNTOが実施主体となることから、合計額のうち125億2500万円はJNTO運営費交付金に充てられている。

 具体的には、アジア諸国などにおけるビザ要件の緩和を契機とした集中的なプロモーションの実施や、今年10月からの外国人旅行者向け消費税免税制度の変更を契機とした日本でのショッピングの魅力の発信、航空路線の新規就航やクルーズの寄港増などによるアクセス向上のメリットのアピールなどをおこなう。また、今後は成長が期待できる市場として北京・上海・広東以外の中国沿岸部および内陸部に注力するほか、ビザ要件が緩和されるフィリピン・ベトナム・インド、昨年度に訪日旅行者数が2割以上の伸びを示したイタリア・ロシア・スペインの計6市場を既存の14市場に加えて重点市場として位置づける。

 このほかには、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、ロンドン五輪などの成功事例を参考にしながら、関係機関と連携して戦略的なプロモーションを実施。MICEについては、東京・横浜など既存の「グローバルMICE戦略都市」に加え、大阪・名古屋などを戦略都市に次ぐ「グローバルMICE強化都市」として位置づけ、ブランド力向上の支援をおこなう。

 新規事業の「広域観光周遊ルート形成促進事業」は、優先課題推進枠で14億円を要望。複数の都道府県に跨るテーマ性やストーリー性を持った観光地をネットワーク化し、訪日の動機づけとなる周遊ルートを形成・発信する関係者の取り組みを支援するもので、中部・北陸・近畿の「昇竜道」やドイツ7街道などを参考とする。このほか「ICTを活用した訪日外国人観光動態調査」に1億円、「通訳ガイド制度の充実・強化」に2000万円を要求する。

次ページ>>>新規事業で地域資源活用など、免税手続で税制改正要望も

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