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専門性で生き残る:海外マラソンツアーのマラソンネットワーク

企画から添乗までを独りで、今年は25本
バンクーバーやボストンで走り続ける柴田氏に聞く

昨年のエジンバラマラソンフェスティバルでの柴田氏  OTAの躍進や相次ぐ他業界からの参入などにより、環境変化が進む旅行業界。しかしそのような状況でも、専門分野における経験とノウハウで勝負し、利用者の信頼を獲得し続けている旅行会社はまだまだ多い。そのような専門型旅行会社の現在の業況や今後の展望を紹介するシリーズ「専門性で生き残る」の第5回は、2016年に東京・立川市で創立した海外マラソンツアー専門の旅行会社で、第3種旅行業者のマラソンネットワーク・ツアー&トラベルを紹介する。代表取締役社長を務める柴田尚仁氏に話を聞いた。

-まずは会社設立までの経緯をお聞かせください

柴田尚仁氏(以下敬称略) 大学を卒業した1980年から電機メーカーのインハウスに勤務し、主に社員向けの出張手配やカウンター営業を担当していました。その傍ら一般のお客様にも対応し、カナダを担当してハネムーナーなどを多数取り扱っていましたが、93年に航空会社から「バンクーバーマラソンの旅行商品を造ってほしい」という依頼があり、初めてマラソンに携わりました。その年に社内向けに造成したツアーは50名を集客し、以後も毎年催行しています。

 その後も会社員としてカナダやマラソンのツアーに携わりましたが、2006年に早期退職制度を利用して独立しました。しばらくは先輩のカナダ専門旅行会社の契約エージェントとして働きながら、自分の会社を持つタイミングを伺い続け、10年後の16年にマラソンネットワークを立ち上げました。

-現在の業況について教えてください

柴田  企画から手配、添乗までほぼすべてを1人でこなしており、年間の取扱人数は150名程度で、そのうち120名ほどがリピーターです。ツアーの単価が高いので、年間取扱高は約5000万円に上ります。

 公式ウェブサイトではトレッキングツアーのご案内もしていますが、これは創業当初に間口を広げるために造成した商品で、現在はほぼマラソンツアーだけを催行しています。ツアーの本数は年によって違いますが、今年はすでに15本ほどのツアーに添乗しており、さらに10本近くの予定が入っています。

 そのような状況なので、お客様への対応には電話を使用していません。代わりにメールは週末や祝日であっても、海外にいても24時間以内にお返事するようにしています。