スペシャリスト・インタビュー<クルーズ>:PTSクルーズデスク 小泉芳弘さん

  • 2010年9月27日(月)
旅行者にも旅行会社にも魅力のクルーズ商品

 クルーズ専門デスクの老舗、PTSクルーズデスクで24年にわたってクルーズ商品の販売に関わってこられた小泉芳弘さん。クルーズ・スペシャリスト第1回認定者5人のうちの1人でもあります。旅行者、旅行会社双方にとって魅力的な商品でありながら、日本ではなかなか爆発的な市場の広がりを見せないクルーズについて、その動向から資格制度への期待まで、じっくりお話をうかがいました。
                                    
PTS PTSクルーズデスク
クルーズ&レジャー事業部 次長
小泉芳弘さん
クルーズ・スペシャリスト(2007年認定)

                                  
                                    
Q.クルーズに関わるようになったのはいつですか

 PTSクルーズデスクは1983年に開設したクルーズ専門デスクですが、僕は開設3年後の1986年に入社しました。それからクルーズ販売一筋です。現在は、デスク創設者である祖師英夫執行役員のもと、東京本部と西日本支社の統括を担っているほか、日本客船のチャータークルーズなど、部署をまたぐ商品の企画販売の陣頭指揮もとっています。


Q.日本のクルーズ人口の推移や動向について教えてください

 「クルーズ元年」とも呼ばれた平成元年には、「100万人マーケットに!」との声もあったのですが、現在、日本のクルーズ人口は年間16万人程度。あまりパイは広がっていないのが現状です。外国客船のバラエティは増えましたが、日本のクルーズ需要の多くを占める日本客船の数が減ったことが痛手でした。客層の中心がシニアであることも長年変わっていません。

クルーズ人口は、外国客船を利用したパッケージツアーやFITが増えてはじめて増加に転じます。ここ数年は、メディア販売大手各社がクルーズ商品を扱うようになったことでパッケージツアー利用者は増えていますが、残念ながらFITはまだまだ。最近、日本人コーディネーターを乗船させる外国客船が多くなってきたので、今後、FITで乗船する人たちが増えることに期待しています。


Q.日本のクルーズ業界が抱える課題とはどんなものでしょうか

 クルーズは、概して非常に質の高い旅行商品です。販売する旅行会社にとっても消費者にとってもメリットの多い商品だと思いますが、その認識が業界にも一般にもなかなか浸透しません。「クルーズ=豪華客船」というイメージがいまだつきまとっていることも、クルーズの敷居を高くしている一因でしょう。デラックス船だけでなく、Tシャツで乗れるカジュアル船もあるのですが、その事実が伝わっていないのです。客船やキャビンの種類の多さなどから、旅行会社が販売に尻込みしがちなことも課題ですね。


Q.問題解決のための具体的な取り組みはあるのでしょうか

 日本旅行業協会(JATA)で分科会を設けて進めていることがあります。まずは片道運賃などフライ&クルーズ商品に合った航空運賃の設定と、フライ&クルーズ約款の改訂。さらに、イメージ戦略の一環として、クルーズ人口増加の阻害要因のひとつである「豪華客船」という表現の規制についても検討を行っています。QE2(クイーンエリザベス2世号)のような客船を「豪華客船」とうたうのはもちろん問題ありませんが、安い商品にも「豪華客船」のキャッチコピーを付けて売っているケースが散見されるため、こうした傾向を変えていこうということです。ちなみにPTSでは、客船にもさまざまなタイプがあることをマーケットに気付いてもらおうと、2年程前からパンフレットを「プレミア」と「バリュー」という2つのブランドに分けました。


Q.課題のひとつである参加者層の拡大についてはどうお考えですか

 ここ3、4年の地中海クルーズ商品の参加者を見ると、シニア層に1、2割のハネムーナーが混じるようになりました。特にこちらからアプローチしているわけではないので、インターネットで探して申し込んでくれるのでしょう。実際、たとえば地中海を巡るのにクルーズは非常に便利です。通常のツアーでは移動が大変で、同じ期間でクルーズほど多くの都市をまわることはできません。食事やホテルの手配を考えれば、料金的にも高くなります。若い人たちが自らそれに気付いて申し込んでくれている。インターネットの普及によって、こうした人たちの需要がはからずも顕在化しているのです。年配のお母様とその娘さんという母娘での参加も目立ってきました。今後はこうした層に向けて、販売サイドであるわれわれからアピールしていく必要があると思っています。


Q.資格取得の経緯とその活用法について教えてください

 2003年にクルーズ・コンサルタントを取得した後、2007年にクルーズ・マスターを取得、同年にクルーズ・スペシャリストの認定も受けました。クルーズ販売のパイオニアとしての自負もあって率先して取得したので、いずれも第1回の認定者です。

PTSでは、会社の特色のひとつとしてクルーズ販売に力を入れており、会社としても社員に取得を奨励しています。クルーズデスクのほとんどのスタッフがクルーズ・コンサルタントを取得していますし、クルーズ・マスターの人数も6名と、他社に比べて多いはず。パンフレットでは、有資格者であることをうたっています。お客様に対しても、クルーズに関する知識や経験の豊富なスタッフがいることはアピールになるでしょう。スペシャリストに関しては、一般消費者より、業界内に浸透したステイタスになっていると感じています。


Q.資格制度に期待することはありますか

 資格制度をクルーズ販売に関心をもつきっかけにしてもらいたいですね。資格を取得しても、販売する相手がいないという声を聞きますが、需要は必ずあります。たとえば、今ある顧客リストの中から65歳以上で、年間の旅行費用が一定額以上ある人、つまりお金と時間のあるお客様をピックアップしてクルーズの案内を送り続ければ、必ず興味を示してくれる人がいるはずです。とくに地方には、掘り起こし可能な潜在層が十分にあると思うので、ぜひクルーズ販売を始めてほしいと思いますね。


Q.クルーズ販売にあたってのアドバイスは

 旅行会社にとってクルーズ商品のメリットは、収益性の高さとリピート率の高さです。昨年度のPTSの実績では、2年以内のリピート率は71%でした。ただし、リピートしてもらうためには、お客様の需要をきちんと見極める必要があります。料金に関係なく、グレードの高い食事を期待している人がカジュアルな船に乗ったら、期待はずれに終わってしまうでしょう。華やかな船内の雰囲気やイベントの多様さを求める人に、年配客の多い落ち着いた日本客船はあいません。いくら安いからといって、初めてクルーズに乗る人に窓のない内側キャビンをすすめるのも感心しません。

 希望するのは日本客船なのか外国客船なのか、どのグレードの船なのか、各人の経験やニーズをきちんと把握して、適した船をすすめることができれば、きっとリピートしてくれるはずです。


ありがとうございました


【参考】クルーズ・スペシャリストとは
 クルーズアドバイザー認定委員会(社団法人日本外航客船協会内)では、「クルーズ・コ
ンサルタント」と「クルーズ・マスター」の2段階からなる資格認定制度「クルーズアドバ
イザー制度」を設けていますが、このうち上位資格である「クルーズ・マスター」を取得す
れば、トラベル・カウンセラー制度推進協議会への申請により「クルーズ・スペシャリスト」
の認定が受けられます。ちなみに「クルーズ・マスター」は、「クルーズ・コンサルタント」
取得後3年を経過し、かつ規定の実務や乗船経験など数々の条件を満たした人に与えられる
もので、クルーズに関する専門知識と経験を持ち合わせたプロの証と言えます。
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