スペシャリスト・インタビュー:トラベル世界 企画営業部課長 齋藤裕樹さん

  • 2009年10月5日(月)
異なるタイプのシニア層への対応がここ数年の課題

 「ユニークで高品質な海外旅行」をモットーに、100を超える国と地域へのツアーを手がけるトラベル世界。これだけ幅広く、しかもオリジナリティあふれるツアーを企画するとなれば、社員一人一人には世界各地の知識が求められます。そんな同社が、社員教育のひとつとして推進してきたのが、DS取得。東京本社の企画営業のセクションで活躍する入社10数年の齋藤裕樹さんも、中国、台湾、オーストラリアと3つのDSの有資格者です。子供の頃から海外や国際交流に強い関心をもち、海外旅行の企画、手配、添乗を手がける今も、多くの人に旅の楽しみを伝えたいという思いを抱いている齋藤さんに、これからの旅行会社のあり方や商品作りのポイントなどについてお聞きしました。


トラベル世界
東京本社企画営業部課長
齋藤裕樹さん

2007年度(第3回)デスティネーション・スペシャリスト 中国認定
2007年度(第3回)デスティネーション・スペシャリスト オーストラリア認定
2008年度(第4回)デスティネーション・スペシャリスト 台湾認定



Q.DSを取得された経緯は

 100を超えるデスティネーションの商品を提供している弊社では、各方面のスペシャリストを育てるという観点から、社の方針として社員にDS取得を奨励してきました。その甲斐あって、現在はDSの設定されているデスティネーションについては、社内の誰かしらが資格を持っている状況です。私も中国、台湾、オーストラリアのDSを取得しました。


Q.とくに中国への思い入れが強いようですが

 幼稚園の頃、テレビで観た風景に感動して以来、中国に興味を持ちはじめ、8歳で中国語を習いはじめました。メキシコ人の友人ができたことがきっかけで南米に傾倒していた時期も長かったのですが、ここ数年、また自分の中の“中国好き”が戻ってきて、社内では「中国といえば齋藤」といわれるくらいにはなれたかな、と思っています。仕事柄、さまざまな場所を訪れますが、その場所をもっと深く知りたいと思うのは、単に美しい景色に感動したからでなく、そこに住む人たちを好きになるからではないでしょうか。僕にとっての中国も同じで、きっかけは風景でしたが、いちばんの魅力は人。中国の文化全体が好きですね。


Q.現在のお仕事内容を教えてください

 企画、航空座席の仕入、手配を担当しています。当社は、大手旅行会社のような完全分業体制ではなく、経理担当も含め全社員が添乗をしますし、手配や企画、営業を一人の社員が兼務することも珍しくありません。私はもともと海外旅行の企画や添乗をしたいと思って就職したので、願い通りの仕事ができているといえるかもしれませんね。

 なかでも最もやりがいが感じられる業務といえば企画でしょうか。もちろんビジネスですから、好きなデスティネーションを企画すればよいというものではありません。企画が当たるか当たらないかは、まさに“勘”。かつてブラジルの世界遺産を巡るツアーを企画したことがありますが、難色を示す向きもある中、募集をかけたところ予想以上に集客があってうれしかったのを覚えていますね。


Q.旅行商品の企画にはどんな思いを込めていますか

 旅の楽しさは人との交流だと思っているので、仕事を通じて、その楽しさを伝えたいという思いは常にあります。そんな思いがかなったものとして印象に残っているのは、春節の時期に訪れた中国ツアーですね。日本のお正月に当たる春節は、現地の交通機関が混んだり、普段賑やかな場所が閑散としたりするため、通常、ツアーは設定しないのですが、ランドオペレーターからの提案もあり、あえて「現地の風習に触れる」というテーマでツアーを企画したのです。親戚回りをする地元の人に同行したり、大晦日に地元の人の家で料理を食べたりと、参加したお客様には大いに喜んでいただきました。

 ただ、人との交流を旅行商品にするのは簡単なことではありません。人や文化に触れることは必ずしも快適なことばかりではないからです。宿坊に泊まる韓国のコースでも、希望しない人には近隣のホテルを案内するという選択肢も設けています。これがパッケージツアーの限界でしょう。快適さとの折りあいをどうつけるか。これからも、この課題に取り組みながら、可能な範囲で現地の人々との交流を楽しむ要素をツアーに取り入れていけたらと思っています。


Q.参加者の平均年齢は60代後半とか。シニア対象の商品作りに変化はありますか
 
 当社のお客様は長年ご利用くださっている方が多いのですが、最近は、新たなシニア層、つまり団塊の世代のお客様の利用も増えています。ご存知のように、団塊の世代はインターネットもある程度使いこなし、情報収集もホテルやチケットの予約も自分でできるため、たとえばマリ共和国へはパッケージツアーを利用するけれど、中国には個人で行く、というように方面によって旅の方法を選びます。旅行するならトラベル世界もしくは競合他社も含めたパッケージツアーでという当社の従来のメイン客層であるシニアのお客様とは明らかに志向が異なるんですね。

 食事ひとつまでツアーに組み込んでほしいシニア層と、パッケージにもある程度の自由を求める団塊の世代の間には、自由時間や食事の設定に対する考え方のギャップもあります。大手であれば別のブランドを立ち上げて対応する手があるかもしれませんが、単一ブランドで、ある程度ポリシーの統一をはかっている当社の場合、たとえば価格の低い別ブランドを立ち上げたら、これまでのポリシーと整合性がとれません。新シニア層にどのようなツアーを提供すべきか。2つのタイプのシニアが混在するツアーでは、異なる両者の要望にどう折りあいをつけるか。これらは当社のここ数年の課題ですね。ただ、誰もが情報を得られるようになった今、「自力でも旅行できるけれど、手配が煩雑、個人旅行では料金がかさむ」というツアーをいかに提供していくかは、企画の視点とともに旅行会社の存在意義を示す大事なポイントだと認識しています。
 

Q.DS制度に期待することは

 当社のパンフレット「地球旅物語」では、方面別にDSの紹介をしています。DSは取得することで専門知識を得られるだけでなく、取り組んでいる会社であることやスペシャリストがいる会社であるということを外に示すことで、ツアーの信憑性や安心感につなげられる制度ではないかと思います。ただ、デスティネーションが限定されていることが残念。また、私は3ヶ国のDSを取得しましたが、デスティネーションによって難易度やテキストの内容に差があるように感じました。認定試験の方法として、オンラインでの選択式の解答が適当かという疑問もあります。試験だけは会場で実施するとか、選択式ではなく記述式の解答にするなどの工夫も必要かもしれません。せっかくスタートした制度です。業界として資格の価値を高め、確立していく努力も必要ではないでしょうか。


ありがとうございました



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