スペシャリスト・インタビュー:ケイアイイーチャイナ 横塚淳也さん

  • 2008年5月27日(火)
相手をよく知ることは、訪日旅行でも生かされる
大きな可能性を秘めた中国でヒット商品を作りたい


近畿日本ツーリスト(KNT)に勤務して20年余、カウンター業務から手配・予約、団体旅行営業など、「支店長以外の業務を経験した」という横塚さん。さまざまな国や地域へ旅行されるお客様のお手伝いをする中で中国はなぜか、際立って気になった国なのだそうです。昨年7月にケイアイイーチャイナの訪日旅行営業部に異動され、訪日中国人旅行の国内の手配に携わる現在のお立場から、話をうかがいました。

株式会社ケイアイイーチャイナ 
  訪日旅行営業部 横塚淳也さん
  2006年度(第3回) デスティネーション・スペシャリスト 中国認定



Q.DSを取得した理由と感想を聞かせてください

 昨年6月まで、近畿日本ツーリスト(KNT)の支店にいましたが、この数年で中国の割合が増えてきました。北京や上海など大都市中心のものから、最近はシルクロードやチベットなど訪問地域やツアーの内容も広がり、中国に関しては今の一般的なパッケージ販売の知識だけでは足りなくなるのでは、と思ったのです。

 また、2003年の西安の研修旅行も、関心を持ったきっかけになっています。西安はシルクロードの始点の歴史観光都市であり、最近ではバイオやITなどの企業が進出し、ビジネス渡航でも注目の都市。ただ、そのときの私には郊外の住宅地や河原が乾燥していた光景に、地元の見識者が「年々、乾燥の範囲が広がっていて不安」と語ったことが心に残りました。蘇州や九寨溝のように水の都と言われる地域と対照的で、改めて国土の広さと多様性を実感するとともに、工場の煤煙やCO2排出の問題も含め「将来の環境を考えると、このままではいけないはず。日本は隣の国なのに、何とかできないか」と感じ、もっと中国について深く知りたいと思ったのです。この後、東京商工会議所が実施する「環境社会検定(eco検定)」も取得したのですよ。


Q.DSが業務で役立ったことはありますか
 
 インバウンドでは直接的に役立つ場面はありませんが、受け入れるツアーの発地をみてDSで学んだ歴史や文化を思い起こし、お客様の習慣や趣向を想像することがあります。例えば、中国でも地域によって少数民族の生活の場やそれぞれの宗教が数あることを学びました。

 受入側で役立つのは食文化でしょうか。基本的に中国の人は火の通った料理を好みます。リピーターなら寿司や納豆もそこそこOKですが、普通は温かい料理でなければ喜んでもらえません。ですから、多忙な日程でも、お昼はお弁当を冷たいまま配ることは避け、必ずレストランを手配する。ただ、どうしても時間がない場合はサービスエリアを利用して食事をしていただく場合もあります。これはDSで学んだことよりも、現在の仕事で身につけたことになりますが。

 相手の文化を深く知ることはとても大切で、お客様だけでなく、ビジネス相手や弊社の中国人スタッフとの関わりにも言えることです。生活習慣や考え方が違うので、日本人と同じようにつきあっても上手くいかないところがあります。そういう意味でDSは役に立つ部分がありますし、あえて追加するなら中国の場合、発展が著しいので、もう少し各地域の経済や産業などの事情を含めた方がいいのではないでしょうか。情報は刻々と変わりますが、海外旅行は送客する先を、受入側はお客様の出身地である今の姿を把握する必要があると思うのです。


Q.横塚さんにとって、中国の魅力はなんでしょうか

 一言で言うと、可能性。まだまだ秘めている部分があります。昨年、日本には94万人を超える方々が訪れたのですが、大都市圏の人が中心なので、今後、地方の旅行者が増えればさらに伸びます。そうなると、今よりももっと細かく中国を知る必要がある。未知の世界が多いほど、楽しみがあると思います。


Q.さらに訪日観光客が増加するには、どうしたらよいでしょうか

 訪日者が増えているのはビジット・ジャパン・キャンペーンによるところが大きいと思っています。ただ、もう少し、観光関係者の宣伝があってもいいのかな、と思うこともあります。例えば、ある有名ホテルは以前から中国のセールスを強化していることが奏功し、現地の旅行会社から指定をうけることが多い。これは逆に、そのホテル以外は認知度が低いということで、指名されるほどインパクトある宣伝やセールスがあってもいいのではないでしょうか。


Q.中国では今年、事件や災害が発生しました。その影響をどう捉えていますか

 ギョーザ問題からチベットの暴動、四川大地震の被害もあり、日本からの旅行者が減少しています。訪日旅行でお付き合いしている旅行会社からは、中国への日本人旅行者が減少し、仕事が少ないということを聞いています。ですから彼らに対し、何か出来ることをしてあげたいという思いから、弊社では高品質、かつ旅行代金をおさえた売りやすい日本ツアーを提案していきます。日本人がダメでも儲けられるよう、各機関へ働きかけながら商品造成をしているところです。こういう面で助けあい、相互のパイプを強くしていこうとしています。


Q.横塚さんの今後の目標は

 漠然とですが、ヒット商品を作りたいという思いがあります。現在はほとんどが発生ベースで、受身の形になっています。もちろん、今でもパッケージやユニットを作っていますが、シリーズとして月に2、3本、年間では参加者が1000名を超える商品が作れればうれしいですね。


Q.そのために目をつけているポイントはありますか

 取扱人数を増やす近道は安い商品を作ること。ホテルと食事、ガイドを含めた6日間の地上費をより定額に設定することは可能です。ただし、当社のコンプライアンス・ガイドラインから外れることが多く、品質や不測の事態の補償面などを考慮するとなかなか難しいのが現状です。

 最近の訪日中国人の傾向の一つとしてはMICEが増えています。人数を求めるなら、ニーズの多い市場に働きかけるのも得策ですよね。そうした現地の人が求めているのは視察や交流で、今後これらを充実させていければ、取扱人数はさらに増える。そのためには各地域や自治体、関係機関の方々と協力をしながら、ぜひ日本で実施してもらいたいと思います。


ありがとうございました。


<過去のスペシャリスト・インタビューはこちら>
メール新規登録

こんにちは、ゲストさん

ログイン

PHOTO NEWS

  • メールニュース登録
  • サプライヤー新規登録
  • マイページ・ログイン
  • サプライヤー・ログイン
  • 媒体資料
  • 求人情報新規登録
  • 優待料金情報新規登録
  • お問合わせ
  • 広告に関するお問合わせ