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スペシャリスト・インタビュー エヌオーイー リテール東京営業課 別府郁子さん

商品企画は旅行の良さを紹介し、喜んでもらえる素晴らしい仕事

1年に1回ある1週間の連続休暇では、必ずプライベートでの海外旅行を楽しむという別府さん。学生の頃から国内外のいろんなジャンルのデスティネーションを旅し、行けば必ずお気に入りの場所ができるとか。「好きなものを組み込むと、商品の説得力が違う」という別府さんに、商品作りのポイントと旅行の魅力について伺いました。

株式会社エヌオーイー リテール東京営業課 リーダー 別府郁子さん
 2006年度(第3回)デスティネーション・スペシャリスト スペイン・ポルトガル認定


Q.現在の業務とDSを受講した理由を教えてください

弊社のブランドのうち、熟年向けの企画商品である「新日本トラベル」と「漫遊の旅」のヨーロッパを中心とした商品企画とパンフレット作成が主な業務で、商品説明会での案内や添乗もします。弊社では6年目ですが、以前の会社では業務渡航や団体、ホールセール企画に携わり、発券以外の海外旅行業務は全て経験しました。

DSを受講したのは会社からの声かけがきっかけです。最初は企画担当者が中心でしたが、今年は添乗員も受講しています。弊社ではアジア・ミクロネシア方面の「スカイツアー」はホールセールをしていますが、その他の2ブランドは99%が直販。ですから、担当がDSと告知することで信頼感がより向上すると思います。今年の下期パンフレットから担当した企画に名前とコメントを入れ、スペシャリストによる企画であることも掲載しています。

Q.御社の商品の特徴は

代表的な観光地だけでなく、その先の一歩踏み込んだものを案内しています。特にヨーロッパは、お客様の6割から7割がリピーターなので、定番商品のほかに地域を絞ったコースや新しい素材を入れたツアーを作り、何度もヨーロッパを訪れたことがあるお客様にも支持されるように意識しています。

例えばスペインでは、定番のアンダルシアを回る8日間から10日間の商品のほか、3年ほど前には弊社オリジナルの「ワイン街道」を作り、人気商品の一つとなっています。これは現地に詳しい添乗員とともに生み出したもの。スペインではワインは欠かせないもので、特に北部のレストランではオーダーしなくてもテーブルにワインのボトルが出てくるほど。ですから、ワインの産地を巡りながら観光もお楽しみいただくという趣旨です。

フランスと絡めた「ピレネー越え」のコースも好評です。「ピレネー越え」というフレーズって、何か掻き立てられるものがありますよね。コレだ!と思ったら、手を替え、品を替え、お客様に喜ばれるようなツアーを作っています。

Q.企画する上で、意識していることはありますか

現地を知ることが一番ですから、研修旅行やワークショップなど、現地の方々と知り合う機会を大切にしています。それから、現場をよく知る添乗員も頼りにしていて、帰国後の報告や企画前などにはアドバイスをもらいます。お客様からの意見も尊重しますよ。

その上で、自分の好きな場所を組み込むようにしています。それは、お客様には自分が気に入るほど素晴らしいところを紹介したいと思うからです。先日、JATA世界旅行博で開催した講演会にご登壇いただいた元NHKキャスターの磯村尚徳さんの「理解しなくても知ることはできるけど、好きにならなければ何も起こらない」とおっしゃった言葉を聞き、確信を得ました。自分が実感したことを形にすると、重みが違いますよね。

Q.では、別府さんのお気に入りの場所を教えてください

業務では主にヨーロッパを担当していますが、私は世界中、どこに行っても好きなものや場所ができますよ。

今年の休暇では1週間のアラスカクルーズに乗船しました。本格的な船旅は初めてで、熟年の方にはお勧めだと思うと同時に、若い時期に乗っても楽しかったと思います。最近ではイスラエルに行きましたが、これも強烈でしたね。説明会でもついつい力が入ります(笑)。昔はアジア方面も屋台を巡って企画に組み込んだこともあります。現在は食よりも文化的側面に興味が向くのですが、経験や年齢によって好みが変わるのも面白いですよね。世界にはまだまだ素晴らしい場所があるはず。それを自分で実感し、お客様に伝えられる商品企画は本当に楽しい仕事です。

お客様の要望に応えるのは旅行会社の使命ですから、そのための勉強はこれからも続けていきたい。今もお客様からの“宿題”を抱えていますよ。旅行に出かけて現地を学ぶことはもちろん、今までの全ての経験から学んだことで、今の私があると思っています。

ありがとうございました。


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