トップインタビュー:フォートラベル代表取締役会長兼CCO 津田全泰氏

  • 2007年6月20日(水)
ネットを使い、旅行を楽しくする
消費者の視点で利用しやすいサービスを提供



旅行のクチコミといえば、フォートラベルという関連は定着してきた感がある。このサイトは旅行に行く前、旅行の最中、そして旅行後に楽しんでもらいたいという発想が根底にある。欧米には、椅子に座って空想にふける「アームチェア・トラベラー」という言葉があるが、フォートラベルでは「デスクトップ・トラベラー」にならないよう、旅に出かけたくなる仕掛けがある。こうしたビジネスに至った発想を、津田全泰氏に語ってもらった。


なぜ、インターネットで旅行、しかもクチコミを始めたのか

津田全泰氏(以下、津田) 私の大学時代はインターネットが伸びている1990年代の後半で、当時のネットベンチャーといえば、ヤフー、楽天でした。ショッピング・モールのビジネスが伸びるかどうかわかりませんでしたが、楽天に入社しました。その頃、楽天市場でも「トラベル」を自社で立ち上げ、参入する方針で、機会があってトラベルの立ち上げに参画しました。旅行については海外旅行に行くことに興味がありましたが、「普通に好き」という程度で、私はネットを利用して「どのように世の中を変えていくのか」を一番に考えていました。

 ただ、楽天がトラベルの参入を決めた時、当時の「旅の窓口」に追いつけ追い越せという方針で、国内旅行、それもビジネスの出張需要を中心に、宿泊サイトとして既にあるサイトと同様のモデルを追い求めていました。楽天トラベルでは2年間働きましたが、今振り返ると、1年間はがむしゃらに、その次の1年は旅の楽しさを忘れ、悩むところもありました。そんな中で、私の中の「ネットで世の中を変えたい」という当初の気持ちが膨らんできました。

旅行はあくまでネットの次ということですか?

津田 ネットで世の中を変えられるのであれば、旅行でなくとも良かったのです。「ネット」を利用することに強い動機があり、ビジネスとして成り立たせることが重要でした。当時、ネット業界を取り巻く変化のひとつにSEO(検索エンジン最適化、Search Engine Optimization)、アフィリエイト広告が登場していました。つまり、低コストで集客をするSEO、アフィリエイトでお金に換えることができる時代になっていました。楽天ではお金を支払う立場でありましたが、個人としてデモ・サイトを立ち上げ、予約サイトに人を流すことを試しにやっていたのです。結果はまずまずで、バナー広告からアフィリエイトへ移行していく費用対効果、時代の流れを感じました。

 旅行に限ったことではありませんが、当時はインターネットがサプライヤーから消費者へとつながり、卸しなど中間業者を中抜きすると盛んに言われました。結果から言うとそうはならなかったわけですが、私はリクルートと同様に新たな中間業態ができると考えていました。実際に旅行業界で果たしている役割は、まだまだ少ないと感じていますが、新しい中間業態、役割を果たしたい、そしてネットを使って便利に楽しく旅を彩ることを目指しました。

それが、旅行の一連の流れと同じものをサービスとして提供していくということにつながるのですね

津田 フォートラベルは設立当初から、旅行の5つの行動を規定しました。1)需要喚起、2)検索・予約、3)旅行の準備・プランニング、4)旅行中、5)旅行記。この5つのうち、消費者が作る旅行記を終着点として、1から5まで常に循環する形を作り出すことが当初の目的でした。「旅行のクチコミサイト フォートラベル」と皆さんにお伝えしますが、本当のねらいは旅行全体をインターネットでサポートすることです。

 現在、旅行記の機能のブラッシュアップでも力を入れています。例えば、「教えてトラベラー」では質問が入力されると、いろいろなことを教えても良いと登録している人たちに対してメールを自動的に送付します。朝に入力された質問に対し、14時では既に7件の回答が入っています。こうした利便性の高い機能、サービスをシステムで解決し、かつ自社で全て完結することで高い連動性を保つことができます。

カカクコムとの連動について、ID統合などが報じられています

津田 弊社はカカクコムの傘下に入ることで、トラフィック、信頼性が向上しました。トラフィックでは40%程度がカカクコムと同じ利用者というデータもあります。これまでのところ、カカクコム傘下となった大きなメリットは広告営業です。以前はアフィリエイト広告などに頼っていましたが、信頼性が高まったことからタイアップなども得やすくなりました。システム面ではカカクコムのデータベースを利用し、ファイヤーウォール構築についてのノウハウなど、大きなメリットを得ています。経営面は単体で黒字を計上しており、大きな変化はありません。

 今後はカカクコムのID統合が大きなメリットとして活かされるでしょう。カカクコムには50万人が登録しており、フォートラベルを知らない人もハードルが低くなることで、利用しやすくなると思います。

サイト上で当初、目指していた機能を実現するには、あとどのくらいの期間が必要だと考えていますか

津田 完成に至るまで10年から15年程度はかかるでしょう。パソコンだけでなく、携帯やゲーム機などインターネットを取り巻くデバイスは多種多様になってきました。パソコンだけに限れば、3年から5年の期間を見て取り組んでいく必要があります。

旅行業界に対してのサービスも展開されています。今後の機能拡充の計画は

津田 旅行業界に対してのサービスは現在、カタログスタンド( http://4travel.jp/shop/ )ぐらい。まさに今、考えていることで、今年中には4travelでグランドデザインを描き、100程度のサービスのうち、約10のサービスを提供していきたいと考えています。旅行業界といっても、旅行会社をはじめ、航空会社、ホテル、政府観光局、保険会社など皆様に機能、サービスとして何が欲しいか教えていただきたいのです。また、そのサービスに対してお金をかけられるのか否か。現在の旅行予約もありますが、今後は旅行会社、ホテルなどからも提供していただきたいと思います。ユーザー側としては、どこが予約サイトであっても良いのです。販売プロモーションという観点で、旅行業界とサイトを一緒に創って行きたいと考えています。

現在、旅行の流れでは、サイトで情報を集め、予約する流れも定着しつつあります。ネットを含め、旅行市場を見てどのような感想をお持ちですか

津田 メーカーにあたる航空会社のサイトなどを見ていると、非常に便利と感じることが多いですね。例えば、座席指定などは一目瞭然ですが、ここで購入するかどうかは別として、こうしたシステムへの投資は巨大なものになり、資金力の問題が大きく関わる話になっています。

 ダイナミック・パッケージは、ワンストップで使いやすくなってきていると思います。ただ、単品で購入するよりも、安い料金を設定して欲しいというのが本音です。店頭でのパッケージ旅行が安ければ、そちらを買ってしまうでしょう。あるいは、価格競争ができないのであれば、「AMAZON」のように「買うことが楽しい」サイトが求められますよね。本については価格が決まっており、それ以下の値段で売れないことから、本をおすすめする「レコメンド」機能はインターネットを活用する強みでしょう。

 小さい会社が大きな資金力に太刀打ちするために、付加価値をどこに出すかが課題ですよね。旅行業界ではコミッションからコンサルティングへといわれていますが、インターネットでも現実の世界でも、本質は消費者の視点でどこまで利用しやすいサービスを提供できるか、という点に尽きると思います。

ありがとうございました
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