コロナ禍がミレニアル女性に与えた影響は-JOTCセミナー

  • 2020年5月27日

Zoomで初のオンラインセミナー開催
「TabiMUSE」運営会社による調査結果も

野々村氏(写真提供:JATA)  日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)はこのほど、「ミレニアル世代女性へのアプローチ」と題したセミナーを実施した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて、JOTCのセミナーとしては初めてオンライン形式で実施したもので、JOTCメンバーの旅行会社、航空会社、政府観光局などから約100名が、ビデオ会議サービスの「Zoom」を使用して視聴。講師は女性向けの海外旅行情報サイト「TabiMUSE」を運営し、女子旅マーケティングを手掛けるバリーズの代表取締役CEOの野々村菜美氏が務め、ミレニアル世代の女性の旅行に対する意識や、コロナ禍におけるその変化などについて解説した。

 野々村氏は冒頭、1981年から96年までの間に生まれた日本人は約2200万人に上ることについて述べ、インターネットやスマートフォンなどに慣れ親しんだミレニアル世代の特性として、3つのポイントを挙げた。1つ目は「テレビ・雑誌離れ」で、「テレビや雑誌は好んでは見ない。代わりにスマートフォンやパソコンでYouTubeやNetflixで動画を視聴することを好む」と説明。2つ目は「広告不信」を挙げ、「企業側からの一方的な広告は信じない。また、どの情報が広告で。どれが広告でないかを見極める能力も高い」と指摘した。

 そして3つ目には「SNSでの意志決定」を挙げ、米国のフォーカスライトの2018年の調査では「ミレニアル世代の62%がInstagramで旅行の内容を決めている」との結果が報告されたことを紹介。「現在はさらに比率が上がっていると予想できる」とコメントした。

 このような世代特性を持つミレニアル女性が旅行に求めるものについては「4点にまとめることができる」という。まず旅行先や目的地については「ミレニアル世代の女性はどこに行くかではなく、何をするかを重要視し、それによって行先も変わる」と分析。たとえば、その時の気分が「ゆったりしたい気分」であればリゾート地など寛げる場所、「美味しいものを食べたい気分」であればグルメを堪能できる場所へと、いずれにしても「そこで何ができるかを明確に意識して旅行先を選択する」のが特徴という。

 旅行の同行者については「親友よりも、同じ『好き』を持った同性との旅行を楽しみたい気持ちが強い」と説明。「ミレニアル世代の女性たちは『初めまして』の相手とも一緒に旅ができ、SNSでつながることに慣れているため全く抵抗がない。だからツアーに1人参加することにも抵抗がない」と述べ、あわせて「友達と一緒に旅行をして気を使いながら過ごすより、たとえば写真撮影やカフェ巡りなど、同じ『好き』を共有できる仲間との旅行の方が楽しめる感覚を持っているようだ」とも分析した。

※訂正案内(編集部 2020年5月28日11時00分)
訂正箇所:写真キャプション
野々村氏のお名前を誤って表記していました。お詫びして訂正いたします。