日本航空の破綻と再生、今後の戦略-大西会長 講演採録

  • 2012年3月5日(月)

 2月16日に開催されたJATA経営フォーラム2012で、日本航空(JL)代表取締役会長の大西賢氏が「航空事業の現状と日本航空のビジョン」と題して講演した。2010年1月の倒産と会社更生手続きの開始から2年強、JLはすでに今年度の通期目標として掲げた営業利益目標を上半期のみで達成し、通期では1800億円の営業利益を見込んでいる。現取締役名誉会長の稲盛和夫氏のもとで経営再建を推し進めた大西氏が語る、この2年間の取り組みと航空業界の現状、そして「ビジョン」とは――。


▽構造改革とその効果

 2010年1月19日、日本航空(JL)と日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルの3社が会社更生手続き開始を申し立て、手続きの開始決定を受けた。JL代表取締役会長の大西賢氏は、この手続きの中で、「多くの債権者の方に、最終的には5215億円の債権放棄をお願いすることになった。また、46万人の株主の皆様の株券が、平たくいえば紙くずになってしまった」とし、謝罪。旅行会社に対しても、「旅行会社の皆様にも大変ご心配、ご迷惑をおかけした。この場を借りて改めてお詫び申し上げる」と語り、その後の支援に感謝を示した。

 再建にあたってJLでは、破綻に至った原因が「採算性の度外視」「大型機の大量保有」「人件費などコストが高い構造」「永続的な経済成長を前提とした経営」などであったとし、それらが「拡大主義」「イベントリスクに対する耐性の欠如」などにつながったと分析。また、「(JLの)元々の出自、政府出資の国際航空会社としての設立から我々が至ったところは、財務的規律の統制がはかれず、組織も硬直」したものであったという。

 大西氏は、これらの課題に対して、組織的な構造改革と従業員の意識改革に取り組んだと説明。事業構造改革では、「イベントリスクに恒常的にさらされる」ことを前提とした「リスク耐性の強い筋肉質な財務基盤を作る」ため、赤字路線からの撤退などによる事業規模の縮小、保有機材の最適化、人員規模の削減、人件費単価の削減、年金制度の見直しを実行した。

 例えば事業規模の縮小では、2010年度の下期以降、2008年と比較して座席供給量を国際線で40%、国内線で30%削減。また、人員についても2009年度末に4万8000人であったところを2010年末には3万2000人とし、人件費も2008年比で「どの職種もほぼ30%減」に削った。人件費について大西氏は、「我々はもう一度やり直す、その意味で新規航空会社を下回る水準からスタートするべき」との判断であったと語っている。

 このほか、「内なる構造改革」という意識改革では、「一人ひとりの採算意識の向上、そして強いリーダーの育成が不可欠だという認識」のもとで、従業員全員を対象に階層別の教育を施し、現在も継続。2011年1月には企業理念と「JALフィロソフィ」を策定した。

 また、部門別採算制度を導入したことで、「社員一人ひとりの採算意識は、皆さん信じられないかもしれないが、確実に向上してきている」ところ。稲盛和夫氏のアメーバ経営には「まだまだ達していない」ものの、「従来であれば計画を立てる人、それを実行する人という区分けがはっきりしていた会社の中で、全員が経営に参画する意識が非常に高まってきている」という。

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