キャリチャ

「ニューノーマル」の次は「ネバーノーマル」、世界の激変にどう対応するか

 1月10日から15日にかけて、シンガポールで開催されたコンベンション「PCMA CONVENING LEADERS 2021」。主催者はプロフェッショナル・コンベンション・マネジメント・アソシエーション(PCMA)で、その名の通りコンベンション運営に関わるプロたちが加盟する団体だ。イベントではコンベンションに主眼を置いたセッションも多く催され、ハイブリッドのフォーマットでオンライン視聴者も3000名も集まるなど盛況だったが、本稿ではコンベンションに限定せずに業界全体とってに有益と思われる情報を抜き出して紹介する。

現地レポートはこちら
フォトニュースはこちら

トーマス・フリードマン氏

コロナの次は気候変動、「パンデミック」で問われる人類の行動

 イベントの基調講演を担当したのは、ピューリッツァー賞を3回受賞したジャーナリストでもあるトーマス・フリードマン氏。インターネットの急速な浸透などによって変化する世界の姿を捉えた「フラット化する世界」でベストセラーも記録している。

 同氏は1つ目の観点として「母なる自然による挑戦としてのパンデミック」を設定し、適者生存が求められていると分析。その上で、「パンデミックを人類への脅威と定義すれば、コロナだけでなく9.11もリーマンショックもパンデミックであったし、コロナの次には気候変動というパンデミックも控えている」と指摘する。

 こうしたパンデミックはいずれも予兆があったのが特徴であるといい、「9.11であれば1993年に世界貿易センタービルの爆破事件があり、リーマンショックも1998年にロングタームキャピタルマネジメントが破綻している。コロナはSARSが予兆だった」とする。

 一方、次なる課題である気候変動については、コロナまでの3つのパンデミックと異なって「ピークも終わりもなく収束もしない」ことが極めて深刻である点とし、対策の必要性を訴えた。

 フリードマン氏は続いて2つ目の観点として、現在の社会について「グローバリゼーション」から読み解いた。具体的には「2019年12月から2020年3月までに米中間を飛行した直行便は3200便。武漢にも直行便があったが、コロナ前にどれだけの米国人が武漢の地名を聞いたことがあったか」と指摘したほか、通信速度についても「2時間の映画は、3Gだとダウンロードするのに26時間かかったが、4Gだと6分、5Gだと3.6秒で済む」と語り、世界が物理的にもデジタルの面でも急速に「接続」されているとする。

 そして、ここで問題なのがその過程で「バッファー」、あるいは「緩衝材」が失われている点で、それが前述のパンデミックを招いた一因であるとの分析する。

 これは、9.11であればダイバーシティ(多様性)というバッファーが失われたため対立が激化した、リーマンショックであれば金融システムの透明性とレバレッジ規制というバッファーの欠如がロングタームキャピタルマネジメントの破綻に繋がったとの考えだ。コロナについては、中国が人間と野生動物のバッファーである自然を開発し都市化していった結果だと結論づけた。

関連ニュース