63便欠航…那覇空港は人だかり「仕方ない」 隣接ビルでは428人が津波警報から25分で避難完了

津波警報の発表を受けて離着陸が停止となり、混雑する那覇空港=3日午前11時12分
津波警報の発表を受けて離着陸が停止となり、混雑する那覇空港=3日午前11時12分

津波警報が発令された沖縄本島の那覇空港(那覇市)では3日午前11時20分現在、計63便が欠航した。3階のチェックインカウンター前にキャンセル待ちの長い行列ができている。一方、隣接する那覇空港貨物ターミナルでは、警報からわずか25分で400人以上の従業員らが建物屋上への避難を完了していたことが分かった。

那覇空港は警報を受け、全ての離着陸を取りやめた。国土交通省大阪航空局那覇空港事務所によると、午前10時53分に空港の運用を再開し、午後0時44分に離着陸も再開したが、欠航や目的地を変更する便が相次いでいるという。

午前9時半の便で石垣空港に向かう予定だった那覇市の飲食業の男性(25)は「津波だからどうしようもないが、4時間も待っている。空港のスタッフに尋ねても『分かりかねます』といわれ、問い合わせもできない」と嘆息した。

茨城県から旅行で沖縄を訪れ、帰宅途中という教員の男性(68)は「一刻も早く帰りたいが、津波だから仕方がない」と疲れた表情を浮かべた。

航空貨物の荷さばきなどを行っている那覇空港貨物ターミナルでは、午前9時1分の津波警報とともに、避難ビルに指定されている管理棟などの屋上に従業員や航空会社、運送会社の社員らを誘導。同26分までに428人の避難を完了させた。同社の出村郁雄社長は「日頃の訓練の成果が発揮された」と話した。

沖縄県警によると、津波警報関連の110番通報は正午現在で42件寄せられているが、人的、物的被害は確認されていないという。

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