<独自>北大阪急行、万博開催の令和7年度にカード決済導入を検討 今月23日に延伸開業

インタビューに応じる北大阪急行電鉄の内芝伸一社長=14日午前、大阪府豊中市の同社本社(二星昭子撮影)
インタビューに応じる北大阪急行電鉄の内芝伸一社長=14日午前、大阪府豊中市の同社本社(二星昭子撮影)

北大阪急行電鉄(大阪府豊中市)が、クレジットカードを利用して鉄道に乗車できる決済システムの導入を検討していることが14日、分かった。大阪・関西万博の開かれる令和7年度を目指す。23日に千里中央(同市)―箕面萱野(箕面市)間が延伸開業するのを前に、内芝伸一社長が産経新聞のインタビューに応じ、明らかにした。また、将来的な自動運転の導入を検討していることも表明した。

自然豊かな箕面市はインバウンド(訪日客)の人気が高く、万博開催時はさらに多くの人が訪れることが想定される。

内芝氏は「(日本での旅行に慣れていない)訪日客にとり、きっぷを買う行為はとても大きな負担になる」と指摘。使い慣れているカードのタッチ決済を導入することで利便性を高めるとした。

さらに内芝氏は「QRコードを使って乗車できる決済システムの導入も進める」との考えも示した。

カードを使った同様のシステムの導入は関西の私鉄各社も進めており、御堂筋線が相互乗り入れしている大阪メトロも6年度からの導入を目指している。

一方、大阪メトロの御堂筋線が将来的に自動運転化されれば、「わが社も同時に、自動運転を実現させたい」とも語った。現時点で御堂筋線の自動運転化は計画されていないが、中央線では6年度中に、先頭車両に緊急停止操作などを担う添乗員を乗せた「レベル2・5」の自動運転の実証実験を行う。

さらに内芝氏は、延伸開業により周辺の都市開発などが進むと予測。「(新たに開業する)2つの駅の乗降者数が10年度には1日あたり計約4万1千人に達し、北大阪急行の鉄道事業の年間売上高は約10億円増える」との見通しも示した。4年度は約45億円だった。(黒川信雄)

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