ゆいレールの利用客3億人突破 沖縄、戦後初の鉄軌道開業20年

旭橋-県庁前間の産経新聞那覇支局付近を走行する「ゆいレール」の列車=那覇市(大竹直樹撮影)
旭橋-県庁前間の産経新聞那覇支局付近を走行する「ゆいレール」の列車=那覇市(大竹直樹撮影)

沖縄県で戦後初となる鉄軌道として20年前に開業した「沖縄都市モノレール」(愛称・ゆいレール)の利用客が4日、3億人を突破した。那覇市の県庁前駅では午後4時ごろ、達成の瞬間にクラッカーが打ち鳴らされ、3億人目の乗客に花束と記念品が贈られた。

沖縄本島では戦前、軌間762ミリの軽便鉄道が走っていた。県民に「ケービン」と呼ばれ親しまれたが、先の大戦で焼失。戦後は車社会が進み、幹線道路では交通渋滞が慢性化した。

昭和47年の本土復帰後に新たな交通システムが提起され、平成15年8月、待望の鉄軌道「ゆいレール」が開業。高架構造の軌道にまたがって走行する跨座(こざ)式のモノレールで、那覇空港(同市)-てだこ浦西(浦添市)間17キロを約40分で結んでいる。

1千メートル進んで60メートル登る急勾配や半径約60メートルの急カーブ区間も摩擦に強いゴムタイヤで難なく走行。開業20周年を迎えた今年8月からは、従来の編成(2両)より長い3両編成の列車も登場し、大勢の観光客や通勤・通学客を運んでいる。

「ゆいレール」の利用客が3億人を突破した瞬間=4日午後4時1分、那覇市(大竹直樹撮影)
「ゆいレール」の利用客が3億人を突破した瞬間=4日午後4時1分、那覇市(大竹直樹撮影)

3億人目の乗客となった那覇市の小学2年、塩浜かの子さん(8)は「ゆいレールは楽しい」と報道陣を前に少し緊張した様子。母親の奈々さん(47)は「車窓の景色がきれいで時間通りに来るので子供たちとよく乗っている。今日は思わぬ記念になった」と笑みを浮かべた。(大竹直樹)

ゆいレールが3両化、沖縄 開業20年

会員限定記事会員サービス詳細