新型コロナウイルス禍による景気低迷が深刻な沖縄県で、人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラクターが観光PRに一役買っている。11日には沖縄本島中部の北中城村(きたなかぐすくそん)のショッピングモール内に「ポケモンセンターオキナワ」がオープン。新たな観光スポットとして県経済界などからも注目が集まっている。
沖縄を元気にするイベントも
ポケモンセンターは、ポケモンに関する情報発信の拠点で、沖縄で16店目、県内初出店となる。従来のグッズ販売エリアに加え、人気のポケモンカードゲームが体験できるエリアや、映像コンテンツを楽しめるエリアなどが新たに設けられた。
沖縄の伝統衣装をまとったエイサーピカチュウのぬいぐるみなど、沖縄ならではのグッズも盛りだくさん。新型コロナ感染防止のため当面は整理券の配布などで入場を制限しているが、運営会社の寺本康彦ディレクター(39)は「沖縄を元気にするようなイベントなども行っていきたい」と意欲を見せる。
沖縄では令和2年以降、全国最悪といわれる新型コロナ感染状況により観光業が大打撃を受けた。年間1千万人超だった入域観光客数は2年度に258万人、3年度も327万人と激減した。
県内の観光業者への励みに
そんな中、悪化したイメージ改善に貢献したのがポケモンだ。昨年6月に「そらとぶピカチュウプロジェクト」がスタートし、沖縄発着便などにキャラクターを描いた「ピカチュウジェット」が就航。那覇市内を走るモノレールにもピカチュウ列車が登場し、スタンプラリーなどのイベントも行われるようになった。
県によると、入域観光客数は昨年12月以降、7カ月連続で前年同期を上回り、復調傾向がみられる。観光推進に取り組む沖縄観光コンベンションビューローの担当者は「ポケモンのような世界的コンテンツが沖縄を応援してくれるのは本当に力強い。県内の観光業者への励みにもなっている」と歓迎している。