エクスペディア・ホールディングス代表取締役 マイケル・ダイクス氏

  • 2021年1月6日(水)

2021年の展望 : 復興から成長へ

 旅行業界にとって 2020年は未曽有の年となりました。困難の連続ではありましたが、そのような状況において革新、進歩、協力といったポジティブな動きが活発化したのも事実です。パートナーの皆様の忍耐力と逆境に立ち向かうチャレンジ精神に、心から敬意を表します。提携業務を通し、パートナーの皆様がビジネス、チームワーク、お客様サービスに誠意と情熱を注ぐ姿を目の当たりにして参りました。2020年が幕を閉じようとしている今、この1年を振りかえり、私たちが何を学び、そして新しい年に何を期待できるのかを考えてみましょう。

危機に際して求められるスピード感と回復力

 2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大がもたらした非常事態や様々な制約により、私たちはこれまで想像したこともない問題に直面することとなりました。様々な業種でリモートワークの必要性が急浮上し、これまでは数か月、それどころか数年かかると思われていたデジタル化の過程をわずか数週間で推し進め、多くの企業が新形態のサービスや商品をたった数日で販売開始することとなりました。旅行業界はかつてないほど結束を強め、創造力と柔軟な思考を発揮して旅行者と業界全体を支えて参りました。

 コロナ禍の真っただ中、パートナー各社同様、Expedia Groupが承ったキャンセル件数も過去最大水準に達しました。弊社は、コロナの影響を受けた宿泊施設様が何よりも求めていた、キャンセルリクエストを一括処理できるツールを早急に開発いたしました。このツールで宿泊施設が予約のキャンセル処理を行えるようになったことで、厳しい状況下ではありますが、お客様とパートナー施設様のストレスを軽減することができたと考えています。

 航空券ビジネスについては、パートナー航空会社が優先課題に集中できるよう、お客様がクリックするだけで自動的にキャンセルリクエストを送信できる「キャンセルボタン」を導入しました。これにより、航空会社の規定に応じてキャンセル手続きを実行できるようになりました。弊社は、お客様とパートナー各社間のストレスを可能な限り軽減できるよう、スピード感をもって危機に対応することに力を注ぎました。

 Expedia Groupはまず最初に、企業として何ができるか、また業界内でどの企業・分野と協力するべきかを考えました。企業、あるいは国が単独でコロナ禍を克服することは不可能です。斬新なソリューションは、旅行の本質であるアイデアの共有から生まれるものです。過去10か月間、弊社はパートナー施設様のニーズを理解するために調査を実施し、オンラインセミナーの実施を通して方向転換やさらなる前進を推進してまいりました。

 例えば、日本をはじめとする世界各地の宿泊施設1万件を対象とした調査からわかったのは、提携施設様が何よりも求めているのは、需要回復のタイミングに関する情報であるということでした。そこで弊社は、Expedia Groupの全ブランドサイトからの施設検索データに基づき、需要回復の時期と需要が発生する地域・国を予測する動的なツール「マーケット分析」を開発しました。インバウンド需要がいつ、どのような形で回復するかを察知するのに特に役立つツールであると確信しております。今後もツールを向上させ、その有効性を高めるための努力を続けて参ります。直近では、弊社が収集した需要に関するデータに基づく推奨アクションプランをリアルタイムでお知らせし、パートナー施設様の露出度の向上と業績アップをサポートさせていただいております。パートナー施設様は簡単な操作で素早く、弊社が提案する戦略を実践できます。「マーケット分析」は弊社のパートナー施設様向けの管理画面「Partner Central」にて無料でご利用いただけます。

 コロナ禍においては旅行業界全体が一時停止状態となりました。立ち止まり、過去を振り返り、2021年、さらにその先の旅行業界をどのようなものにしたいのか、考える機会ともなりました。またデジタル化がこれまで以上に急務となり、安全かつスムーズな顧客体験を提供する上で旅行業界の近代化と自動化がいかに重要であるかの認識が高まりました。

必要に迫られた革新がもたらしたのは、2021年に向けた現実的かつポジティブな変化

 この1年で、旅行業界はあくまでも流動的で、変化のスピードが速く、そして困難に際しては創造力を発揮できることが明らかとなりました。宿泊、航空サービスをはじめとするあらゆる分野のパートナー施設様が衛生作業の強化、ソーシャルディスタンス(身体的距離)の確保、その他の対策をオンラインおよび施設内、機内において迅速に実施されました。ここまでの進歩は、本来であれば数年を要していたでしょう。力を結集することにより、私たちは 2019年よりもっと強く、賢くなれるはずです。

 弊社においては、パートナー各社および旅行者の皆様にご利用いただくプラットフォームの機能向上のために、新しいソリューションの開発を続けて参りました。最新の技術を結集し、Expedia Groupは旅行業界の今後の発展に力を添える様々な機能、サービスをご紹介できる運びとなりました。例えば、人工知能(AI)と機械学習(ML)を統合した会話プラットフォーム、「バーチャルエージェント」はそのひとつです。この機能を活用することで旅行者からのお問い合わせにスピーディーに対応できるうえ、カスタマーサポートの通話件数を軽減できます。レジャー旅行のお客様からの基本的なお問い合わせ(予約のキャンセル、変更など)に対応するために開発したプラットフォームですが、最近、新たな機能を追加し、弊社の全事業部門においてより迅速なカスタマーサービスを可能としました。バーチャルエージェントの導入により、弊社およびパートナー各社のお客様満足度が向上しています。最終的にはサービスコストの削減につながるでしょう。

 Partner Centralでご利用いただける宿泊施設様向けバーチャルエージェントは、基本的なお問い合わせに対応できるほか、情報の提供、キャンセルポリシーの確認と更新手続きのサポートといった様々な機能を備えています。ワクチンに関するニュースに希望を見出すことはできますが、旅行業界は依然、硬直状態であり先行きは不透明で、旅行者はこれまで以上に柔軟な対応を求めています。弊社が開発したこれらの動的なツールは、このような柔軟な対応とサポートをパートナー施設様が適切なタイミングで旅行者へ提供できるようにしたものです。2021年には、バーチャルエージェントの機能をさらに強化し、プロモーションの作成、料金プランの追加、料金および在庫のリサーチなどを追加する予定です。

データとテクノロジーでパートナー各社の業務をサポート

 ​旅行業界においては、価値提案にテクノロジーを活用し効率化を行うことが、今後より一層重要となるでしょう。テクノロジーにより日常的な業務を自動処理することで、パートナー施設様は新たな成長の機会を手にされます。新しい商品やサービスをマーケットに投入してビジネスを発展させることが、お客様満足度のさらなる向上につながります。

 弊社はまた、レベニューマネージメント(収益管理)ツールでもパートナー施設様のビジネスを促進します。Expedia Groupではパートナー施設様に、データ主導型のマーケット予測をご覧いただけるレベニューマネージメントツール 「Rev+」 を無償でご提供しています。このツールを利用することにより、例えば、周辺宿泊施設の販売価格や需要予測などに基づいた適正販売価格を導き出すことができます。レベニューマネージメントテクノロジーを利用することにより、パートナー施設様は直観や憶測に頼るのではなく、データに基づいた正しい意思決定を実践できます。

 このたび弊社では、レベニューマネージメントテクノロジーの普及をさらに推進するために、「Rev+ Insights API」のご提供を開始いたしました。新しいAPIの活用により、Rev+のリアルタイム情報と需要分析データを直接、チャネルマネージャーに公開されます。その結果、事業の効率化を図るとともに意思決定プロセスを向上させることができます。Sabre Hospitality社 は、いち早く、この新しい APIを介してExpedia Groupからのデータを、自社が提供するチャネルマネージャーに取り込みました。ご利用の施設様は、貴重なリアルタイムの情報に基づく分析データと推奨アクションプランを入手できます。

 弊社の目標は、テクノロジーの提供を通じてパートナー施設様の業務改善と競争力強化を促進することです。弊社は、長期的視野をもって先進的なソリューションをご提供することにより、すべてのパートナー施設様の復興とビジネスの成功を継続的にサポートしてまいります。本年は、弊社、さらに旅行業界に多大なるご支援とご協力を賜り、誠にありがとうございました。Expedia Groupを代表し、すべてのパートナー施設様、政府機関、業界の専門家の皆様に感謝申し上げます。2021年に向い、Expedia Groupは日本および世界のパートナの皆様の事業をより強力にサポートさせていただけるよう、誠心誠意努める所存でございます。今後も、引き続きご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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