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【業界へのメッセージ】デルタ航空 日本支社長 大隅ヴィクター氏

  • 2020年8月31日
大隅ヴィクター氏

 新型コロナウイルスの感染拡大により、旅行業界全体が困難な状況にありますが、航空会社としてするべきことは、まずお客様と従業員の健康と安全を守ることだと考えています。

 デルタ航空では、いち早く安全なフライトのための基準「デルタ・ケア・スタンダード」を設定し、多くの対策を実施してきました。チェックインしてから最終目的地で手荷物を受け取るまで、お客様の安全はデルタ航空にとって最優先事項であり、さまざまな保護対策を実施し、お客様を再びお迎えする準備を整えています。

 チェックインカウンター、デルタ スカイクラブ、搭乗口カウンターにはアクリル製の仕切り版を設置して飛沫を防止し、床にはソーシャル・ディスタンスを示すマーカーを貼り、お客様同士の距離を保てるようにしています。また、いたるところに消毒用ハンドジェルのボトルを設置しています。空港では1日を通して何度も徹底した清掃をおこなっており、高品質の消毒剤を噴射できる静電スプレーも使用しています。機内ではお客様がご搭乗する前に、静電スプレーと拭き掃除による清掃作業を入念におこなっています。

機内清掃を強化しチェック項目を20以上増やしている(上)、高品質の消毒剤を霧状にして噴射する静電スプレーを使用(下)

 ご搭乗の際には、10人ずつ後部座席から前方へとご搭乗いただくことで、座席に着くために互いにすれ違うことのないようにしています。 着席時も充分な間隔を保てるよう、予め座席使用率に上限を設け、3席並びの中央席は予約できないようブロックしています。この措置はお客様から高い評価をいただいており、2021年1月6日まで続ける予定です。

 また、機内は密室なのではと心配する方もいらっしゃいますが、機内の空気は、HEPAフィルターを通して2、3分おきに完全に入れ替えられています。このHEPAフィルターは、ウイルスを含む粒子の99.99%以上を抽出することができるとされ、病院の手術室でも使用されています。

 さらに、複数の医療機関と提携し、客室乗務員や空港職員をはじめ全従業員を対象に、新型コロナウイルスの陽性検査と抗体検査を順次実施しています。お客様と直接接する弊社職員の感染率は、アメリカ全体の平均よりも低く、これは、デルタ航空が実施している様々な対策の効果を証明しています。

 国際線の需要の回復にはまだ時間がかかりそうですが、私達が今できることは、お客様にフライトが安全であるということを確信していただくことだと思っています。航空会社としてできることを着実に実行し、安心してご旅行いただけるように、万全の体制を整えています。旅行業界の皆様とともにこの状況を乗り越えられるよう、努力を続けていきたいと思います。