羽田、20年夏に発着枠3.9万回増、配分は「遅くとも10月上旬」

国際線ターミナル(3月7日撮影)  国土交通省航空局は本誌の取材に応え、羽田空港の発着枠について、関係自治体や住民などの理解を前提に、2020年の東京五輪までに増枠をめざす考えを改めて示した。深夜早朝時間帯以外の国際線の年間発着枠について、現在の6万回から約3.9万回増の9.9万回に増やすもので、これにより年間の運航便数は約1.9万便増えることになる。発着枠増の時期は、東京五輪が開催される20年夏ダイヤ中となる見通し。

 羽田の発着枠の獲得は内外の航空会社が強く要望しているところ。例えば10月に来日したアメリカン航空(AA)国際セールス担当副社長のクリス・デグルート氏は、日米路線に合計16便、米国側に8便が配分されることを期待するコメントを発表している。

 航空局によると、一般に混雑空港の夏ダイヤの発着枠の調整は、国際航空運送協会(IATA)が定めるガイドラインに従って実施。前年の10月上旬を航空会社からのリクエストの締切としているため、20年夏ダイヤ中に増便するためには、遅くともそれまでに枠を配分する必要があるという。具体的なダイヤの大枠は、IATA主催のスロット会議で決定する見込みで、19年は11月に開催予定だ。航空局は「各航空会社とはふだんから様々な打ち合わせを実施しており、そのなかで羽田について意見をもらうこともある」とし、配分の方向性などについてはコメントを控えた。

 年間発着枠の増加は、首都圏の国際競争力の強化や20年の訪日外国人4000万人達成を見据えた、首都圏空港の機能強化の一環として取り組んでいるもの。国交省では増枠に向けた新しい滑走路の使い方と飛行経路案として、夏場に多いという南風時と、冬場に多いという北風時の2つのケースで見直し案を発表。同案が実現すれば、昼間時間帯の一部で発着枠の増加が可能となり、1日あたり約100回増えることとなる。例えば15時から19時までのうちの3時間では、1時間あたりの発着回数が現在の80回から10回増の90回まで増やせるようになるという。


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