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HIS、2Qは増収も営利27%減、1Qの営利減やHTBの回復遅れで

決算会見で登壇したHIS代表取締役会長兼社長の澤田氏  エイチ・アイ・エス(HIS)の2017年10月期第2四半期(16年11月1日~17年4月30日)の連結業績は、売上高(総額)が前年比6.2%増の2718億2500万円となり、過去最高を記録した。営業利益は26.8%減の62億4600万円、経常利益は134.5%増の105億3500万円、四半期純利益は5020.2%増の51億7600万円となった。

 営業利益は、第1四半期の旅行事業が年末年始の日並びの悪さや欧州方面の需要回復の遅れなどにより一時的に利益率が低下したことや、昨年の九州地震の影響でハウステンボス(HTB)への入場者が減少していることなどが影響し、2割以上減少した。経常利益は為替差益を27億4100万円計上したことから、純利益はクルーズ船の特別損失が昨年より減少したことから、ともに大幅に増加した。

 なお、HISは4月末に、第2四半期の売上高と営業利益の業績予想を下方修正していたところ。売上高、営業利益ともに修正値を上回り、予想を据え置いた経常利益も増加したが、純利益は予想を若干下回った。

 旅行事業の売上高は前年比5.8%増の2389億9400万円、営業利益は24.1%減の36億1900万円。売上高は、燃油サーチャージ収入が58億円減少した一方で、主力の日本発海外旅行において、欧州や韓国への旅行需要が回復し、送客数が増加したことなどにより前年を上回った。営業利益は、欧州・中近東・アフリカ方面の送客数が増加したが、1Qの落ち込みを補いきれず、前年を下回った。

 HTBグループの売上高は4.4%増の169億9900万円、営業利益が15.4%減の37億7200万円。HTBの入場者数は九州地震の直後と比べて緩やかな回復を見せたが、引き続き団体観光客や訪日外国人が低調に推移し、5.9%減の147万人と前年を下回った。

 このほか、ホテル事業は売上高は0.2%減の36億2000万円、営業利益は5.4%増の4億9400万円となった。同社では昨年11月に、ホテル事業を統括する「H.I.Sホテルホールディングス」を設立しており、3月には千葉県浦安市に「変なホテル舞浜東京ベイ」を開業。集客は好調という。

 アジア・アトランティック・エアラインズ(HB/AAA)による運輸事業は、売上高が43.1%増の21億1100万円、営業損失は4億5100万円から6億8200万円に拡大した。定期便の運航に加え、年末年始の成田/シェムリアップ間や、春節時のプーケット/長春、オルドス間でチャーター便を運航するなど、収益性の高い繁忙期の運航を実施したものの、エンジンの修理費や中国路線の価格競争による運賃の値下げなどにより、営業損失が増加した。なお、HBは2017年10月期第3四半期から、HISの連結子会社から持分法適用関連会社となる。

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※訂正案内(編集部 2017年05月29日18時55分)
・訂正箇所:第7段落1文目
アジア・アトランティック・エアラインズ(HB/AAA)の社名を誤って表記しておりました。お詫びするとともに訂正いたします。