入社式トップ訓示、若い力とともに環境変化に対応、成長へ

  • 2017年4月3日

 旅行関係企業各社はこのほど、2017年度の入社式を開催した。各社の社長訓示では、新入社員に対して環境変化に対する挑戦や柔軟性などを求める内容が多く見られたほか、組織再編や新たな中期経営計画を機に、若い力とともに企業としての成長をめざす姿勢などが打ち出された。大手各社トップの訓示の要旨を紹介する。


▽旅行会社
ジェイティービー(JTB)グループ:1037名入社
JTB代表取締役社長 高橋広行氏(高ははしご高)

JTBグループの入社式。女優の武井咲さんとシンガーソングライターのMACOさんがサプライズで登場した  グループ合同での入社式は、2006年に分社化して以来、今回が初めてとなる。JTBグループはあえて「旅行」という言葉を使わず、旅行業の枠組みを超えた「交流」という切り口で幅広く事業を展開している。そのためにはグループ169社のシナジーを追求し、2万7000名の総力を挙げて戦うことが不可欠だ。

 18年4月からJTBは新体制となり、大きな変革にチャレンジする。その先に見据えるグループの姿は、JTBでしかなし得ない交流を作り出し、お客様に対していつも斬新で、最高の感動をお届けできている姿だ。スローガンである「感動のそばに、いつも。」を高い次元で実現したい。そのためにはグループ全体で事業戦略をスピーディに推進し、重点領域に経営資源を再配置し、外部からの視点を持つ必要がある。

 新体制では、事業を通じてよりマーケットに精通し、部門ごとのシナジーを高め、グループ各社の利益の最大化を実現できるようにする。そのなかで皆さんには「自律創造型社員」になっていただきたい。高いスキルと専門性を有し、強い成果志向を持ち、自己成長に努め、課題解決に向けて主体的に行動し、価値創造につなげられる社員になってほしい。

 また、仕事に誇りを持ち、お客様の喜びや感動を自分自身のこととして共有できる社員になってほしい。私は皆さんと「コンプライアンスなくして経営なし。CSなくして営業なし。チャレンジなくして生き残りなし」という、3つのCを共有したいと思う。

 2020年には、皆さんは事業の推進役となり、後輩社員の指導育成も任せられる立場になる。その時の自分をイメージして、するべきことを明日からの研修で真剣に考えてほしい。自分の強みをしっかりと把握し、課題解決に向けて行動することが「自律創造型社員」への第一歩となる。

 社会人として時代の流れを的確に掴み、自分の進むべき方向を明確化できるように、日々の研鑽を重ねてほしい。そしてグループとともに成長することを常に意識して、これからの人生を歩んでほしい。

KNT-CTホールディングス:228名入社(近畿日本ツーリスト、近畿日本ツーリスト個人旅行、クラブツーリズム3社計)

・近畿日本ツーリスト代表取締役社長 田ヶ原聡氏

 皆さんは今日から社会人となり、社内外で決められているルールやコンプライアンスを厳守する義務がある。ルールを守ることがビジネスの基本だということを認識し、絶対に個人の判断でお客様や世の中に迷惑をかけることが無いように誓ってほしい。

 次に、効率的に仕事をして、常にベストコンディションでベストパフォーマンスを発揮してほしい。優先順位や段取りを決め、計画的な仕事を心がけ、お客様が求めることを予想し、先回りすることで、プロとしてお客様の信頼を得ることができる。

 「今何を求められているのか」「これからのために今日することは何か」を常に考えて、貪欲に知恵と行動力を身につけ、志を持って取り組んでほしい。その貪欲な姿勢が皆さんの前に現れる壁を突破する武器になる。前向きに頑張っていただきたい。

 2020年には皆さんが、東京五輪のオフィシャルパートナーである当社のオリンピック事業の中核を担う一員になっていると確信している。主体的に考えて行動できる一人前の社員として、各々の持ち場であらゆることにチャレンジし、変わりゆく大きな舞台で活躍していただきたい。

・近畿日本ツーリスト個人旅行代表取締役社長 岡本邦夫氏

近畿日本ツーリスト個人旅行  話しておきたいことの1つ目は、常に好奇心を持つということ。旅行という無形の商品を販売することが当社のビジネスの基本なので、常に新しい観光地や宿泊施設を研究し、お客様の志向の変化に気づくことが重要になる。その基となるのが好奇心だ。当社では三現主義「現地に行く」「現物を見る」「現実を知る」ことを重要視している。普段から三現主義を心がけ、フットワークの良い、好奇心溢れる社員になってほしい。

 2つ目は、明るく親切な応対でリピーター作りをめざしてほしいということ。当社の主力は東名阪131店舗での対面販売で、店舗にお越しいただくお客様は、インターネットでは得られないアドバイスや情報、気心の知れた社員による明るく気持ちの良い応対を期待している。私たちはそれに応えなければならない。

 当社のミッションは「人生の感動体験をデザインし、一人ひとりの『楽しく生きる』を応援すること」だ。常に明るい笑顔で取り組んでいただきたい。

・クラブツーリズム代表取締役社長 小山佳延氏

 クラブツーリズムの企業理念「旅を通して、出会い、感動、学び、やすらぎの種をまき、はつらつたる喜びに満ちた社会を花開かせていく」ということを、ともに実践する仲間が増えたことを嬉しく思う。クラブツーリズムの社員としての心構えが3つあり、1つ目は、自らの意思を持って仕事をする姿勢を習慣づけるということ、2つ目は挑戦することの価値を考えて仕事をすること、3つ目はお客様目線での仕事を習慣づけることだ。

 クラブツーリズムは旅行だけでなく、さまざまなサービス提供を通してお客様の人生に寄り添い、深く関わることができる事業を展開している。旅行会社の枠を超えた「真のオンリーワン企業」として成長できるよう、皆さんとともに日々挑戦を続けていきたい。

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※近畿日本ツーリスト代表取締役社長の田ヶ原聡氏の訓示を追記しました(編集部 2017年04月04日14時45分)。

※訂正案内(編集部 2017年04月4日15時14分)

KNT-CTホールディングスの入社人数を誤って掲載しておりました。お詫びするとともに訂正いたします。