週間ランキング、欧州チャーター計画1位-ホテレスショー雑感

[総評] 今週の1位は日本旅行業協会(JATA)関西支部の海外旅行委員会が音頭を取って欧州チャーターを企画した記事でした。需要回復を目的に、夏にスペインとポルトガルに2本、スロベニアとクロアチアに1本を設定したというもので、いかにも旅行業らしいニュースが1位となったことを嬉しく思います。

 記憶をたどると、ちょうど今JATA本部で海外旅行推進部部長を務めておられる權田昌一氏が2009年、当時の近畿日本ツーリスト(KNT)執行役員旅行事業創発本部海外旅行部長であった頃にJATAのシンポジウムに登壇され、チャーター活性化の議論をされていたことが思い出されます(リンク)。

 上記のリンク先の記事にもある通り、当時はチャーター関連の規制緩和がなされて機運も盛り上がっていたように思いますが、その後は期待していたほど大きく伸びたという感覚はありません。

 09年からの旅行市場や航空業界を思い返すと、東日本大震災やその反動、為替レートの乱高下、LCCの浸透、羽田の再国際化など諸々の要因が思い返されますが、チャーターはやはり旅行業の力の見せ所ですし、是非とも拡大していってほしいものです。

 その意味では、同記事中でリスク軽減策として示された「LLP(有限責任事業組合)」というアイディアは、記憶が確かであれば權田氏が言及されていたはずですが、その權田氏が現在ではJATAの要職を担っているわけです。權田氏は、若輩の私がいうのも恐縮ながら渋さと同時にいたずらっぽい少年のような雰囲気も併せ持つ方で、以前から勝手に敬慕しておりましたが、チャーターの活性化についてもますますお力やご経験を発揮されると信じています。

 また、今週は東京ビッグサイトで展示会「国際ホテル・レストラン・ショー(ホテレスショー)」が開催されました。ランク外ながらトラベルビジョンでも関連する記事を掲載しましたけれども(リンク)、私も今回は初めて会場を訪れて様々なことを考えさせられ、知見を広めることの重要性を痛感しました。

 まず過去の旅行博、旅博、そして今のツーリズムEXPOジャパンに参加されたことのある方には伝わると思いますが、ホテレスショーでは東1から6までのホールがすべて使用され、しかも空間が余り気味の場所も見えないなど出展意欲が非常に旺盛でした。

 そして出展者の内訳は、冷蔵庫や寿司ロボットなどの厨房機器がおおよそ半分を占め、残りがベッドや家具、食器、什器、IT関連などという印象で、これほど多くの業種、業態、そして会社がホテルや旅館、飲食店に製品を買ってほしいと考えていることに驚かされました。

 当然、そのほとんどの会社は旅行会社相手の営業意欲はないと思われますが、もしかするとそのあたりに旅行会社の成長のヒントのひとつが隠されているかもしれません。消費者の「美味しいものを食べたい」、「ぐっすり眠りたい」といった願望は根源的なもので旅行需要にも密接に繋がりますが、そういった部分に旅行会社が関わってはいけないというものでもないでしょう。

 まだうまく言葉にできませんが、旅行会社だからといって他社から仕入れた旅行のパーツを提供することにのみ集中する必要はないのだと感じています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年02月17日0時~02月24日12時)
第1位
JATA関西支部、欧州回復に向けチャーター、7・8月に3本(17/02/22)

第2位
アシアナ航空、期間限定で関空/仁川線にA350、日本に披露(17/02/20)

第3位
スタークルーズ、今夏に17年ぶりの日本発着、横浜と大阪母港に(17/02/21)

第4位
ピーチ、夏ダイヤで成田/新千歳、那覇線を運休(17/02/19)

第5位
キーパーソン:JATA理事・事務局長の越智良典氏(前)(17/02/22)
旅行会社は情報武装でテロに対抗-JATA事務局長・越智氏(17/02/20)

第6位
LGBT誘客へ、自治体の取り組みに期待-国際団体会長が来日(17/02/19)

第7位
全日空、国内線ラウンジ刷新へ、新千歳など4空港(17/02/21)

第8位
貸切バス問題、旅行会社の処分対象拡大へ-観光庁がパブコメ(17/02/20)

第9位
全日空、4月・5月の燃油サーチャージ引き上げ、JLに続き(17/02/19)

第10位
世界のビーチ1位はブラジルのサンチョ湾-トリップアドバイザー(17/02/22)


※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
 ◆人事、日本航空役員体制-4月1日付(17/02/22)
 ◆人事、日本旅行管理職-3月1日付(17/02/23)