JATA、「韓国復活」と「交流1000万人」に向けファムツアー

今年は「全土を売る」スタートの年に
地方の魅力を深掘りし、商品造成へ

慶州で世界遺産の「仏国寺」を訪問  日本旅行業協会(JATA)は韓国観光公社(KTO)や大韓航空(KE)などの協力のもと、昨年の12月13日から15日まで「韓国復活研修旅行」を実施した。「釜山、蔚山、慶州コース」「平昌冬季オリンピックコース」「百済歴史コース」に計150名を派遣したもので、JATA会長の田川博己氏、副会長の菊間潤吾氏、理事長の志村格氏なども参加。13日に慶州(キョンジュ)で開催されたKTOの主催による晩餐会「日韓観光交流の夕べ」では、韓国の業界関係者とともに年間交流人口1000万人の早期実現をめざすことを確認した。


16年の交流人口は700万人を突破、新たな目標へ

目標達成を祈念し乾杯  JATAなどはこれまで、年間交流人口の目標として700万人を掲げてきたが、観光庁と韓国文化体育観光部が12月8日に熊本市で開催した第31回の日韓観光振興協議会で、年間1000万人の目標を打ち出したことを受けて数値を引き上げた。日本政府観光局(JNTO)によれば、16年の訪日韓国人旅行者数は27.2%増の509万300人と大きく増加し、500万人を突破。15年の中東呼吸器症候群(MERS)の影響から、14年並みにまで回復した日本からの229万7893万人との合計は約739万人となり、700万人を大きく上回った。人口が日本の半分に満たない韓国からの旅行者数が、訪韓日本人旅行者数の倍以上となるアンバランスな状況ながらも、とりあえずは従来の目標を達成したことになる。

仏国寺の「多宝塔」(右手前)  JATAは14年にも1000名規模のファムツアーを実施し、15年も「日韓国交正常化50周年プロジェクト」と題して、さまざまな取り組みで需要回復に務めてきたところ。「海外旅行復活の年」とした16年についても、韓国を最重要方面として位置づけて、復活の試金石とした。積年の目標である年間出国者数2000万人に向けては、今後の訪韓旅行者数の回復がカギを握るため、ファムツアーでは課題となっている地方送客増に向け、古都として知られる慶州などを視察して商品造成を促し、17年以降への弾みをつけたい考えだ。

くす玉割りも  晩餐会には、日韓の旅行業界から要人を含む各100名が出席。日本側は田川氏に加えて菊間氏が、韓国側からは文化体育観光部長官(当時)の趙允旋(チョ・ユンソン)氏、KTO社長の鄭昌洙(チョン・チャンス)氏、韓国旅行業協会(KATA)会長の梁武承(ヤン・ムスン)氏などが挨拶し、今後の交流拡大に意欲を示した。晩餐会前には両国の要人による意見交換会も実施し、記者団の取材に応えた田川氏は「今回の研修旅行では地方の観光地の深掘りをする。来年は韓国全土を売るスタートの年とし、年間1000万人を超える大きな流れを作りたい」と意欲を示した。