itt TOKYO2024

「変なホテル」2店目は年度末に浦安で-世界100店舗へ


「変なホテル」のロゴ
 ハウステンボス(HTB)は「変なホテル」の本格展開を開始する。同ブランドの2号店を2017年3月末に東京ディズニーリゾートの近くに開業。来夏にはラグーナテンボスでの開業も予定しており、大阪への出店も検討中だ。1年以内に海外進出も果たす考えで、将来的には全世界で100軒の開業をめざす。ホテルはHTBやHISグループの直営に加えて、フランチャイズ方式でも展開する。

 HTBは15年7月、ハウステンボス内に「変なホテル」の1号店を開業。ロボットの導入による運営の効率化、水素エネルギー発電システムや放射パネルを利用した省エネルギー化などが話題を呼んだ。8月4日の会見で代表取締役社長の澤田秀雄氏は、開業以来同ホテルで実証実験をおこなってきた旨を説明。「1年間で、クオリティやサービス、生産性は世界で耐えうるものが出来上がってきた」と語り、国内外での展開に自信を示した。

 HTBによれば、ロボット数は開業当初は6種類・82台だったが、今年の7月時点では16種類・182台に増加。15年7月の開業当初は客室数72室・従業員数30名だったが、16年7月時点では144室・10名となり、人件費は大幅に減少したという。今後はさらに従業員数を減らし、9月からは9名に、来年3月からは6名で業務をおこなう予定だ。

記者会見は東京のHIS本社と「変なホテル」の2会場をテレビ会議システムで中継して実施。写真は「変なホテル」会場の澤田氏  澤田氏は海外展開について、「すでに海外のホテルからアプローチはあったが、(実証実験中だったため)断っていた」とし、ニーズがあることを強調。今後はベトナム、バリ島、タイなどアジアを中心に、100室から200室程度のホテルを展開したい考えを述べた。

 直営の場合は1軒あたり15億円から25億円程度の投資が必要となるが、「変なホテルの予約は非常に好調で、夏は稼働率がほぼ100%。年間の利回りは最低20%以上なので、(直営ホテルを新設しても)5年で減価償却できる」との見通しを示した。フランチャイズ方式については、新しいホテルに加えて、既存のホテルにも業務のロボット化などを提案。エイチ・アイ・エス(HIS)の海外ネットワークも活用して営業をおこなう。

 澤田氏は、HTBでは自然エネルギーによる発電システムなども研究していることを紹介。実用化すれば電気が通っておらず居住者も少ない「秘境」でホテルを営業できるとし、「夢の夢」と述べながらも将来的には実現したい考えを語った。HIS代表取締役社長の平林朗氏も、ウユニ塩湖など人気の観光地で宿泊施設が整備されていないケースが多い旨を説明し、「(秘境などに)ホテルを造ることで、新しい旅行商品の開発につながる」と期待を示した。

 変なホテルは現在、HTBが運営をおこなっているが、平林氏によれば今後はHISグループのホテル事業と一本化することを検討。ホテル事業を展開するウォーターマークホテル・ジャパンと「1つの事業として展開したい」と語った。新会社の立ち上げを含む事業展開の方針については現時点では未定という。

次ページ>>>▽2号店は100室でスタッフ6名、宿泊料金は1名5000円程度に