週間ランキング、1位はLCCアライアンス、各社の路線拡充も

[総評] 今週は、LCCによる国際航空アライアンスという世界初の試みについての記事が1位になりました。LCCとFSCが互いの特徴を吸収し境界があやふやになりつつあることはかねてから書いてきましたが、今回のアライアンス設立も同じ文脈でしょう。

 現時点で決まっているのは、予約と決済関連のシステムを共有して1つのウェブサイトで複数社の航空券を購入できるようにすることのみだそうですが、「利便性の向上が最大の目的」という説明がその通りであれば、コードシェアやあるいは空港設備の相互利用なども利便性が高まるわけで、さらなる提携深化も予感されます。

 特に、アジア太平洋地域ではエアアジア(AK)とジェットスター航空(JQ)が各国にグループ企業を設立する形で網目のようなネットワークを形成しており、これに真っ向から対抗するためには自社単体ないし他社との協働で同じような戦略をとる必要があります。このアライアンスがそうなるとは限りませんが、これからの航空業界を左右する存在になる可能性はあるでしょう。

 また、第2位の記事にもあるように訪日旅行で空前絶後の大ブームが起きていますが、航空会社の座席供給量の拡大意欲もますます旺盛なようです。例えば第6位のスクート(TZ)やランク外ながら今週配信のエアアジアX(D7)(リンク)は先述のLCCの競争激化を伝えるものですし、また第8位のベトナム航空(VN)の茨城チャーターも、訪日需要なくしては成り立たないのではないかと思われます。

 一方、海外旅行は残念ながら全体的に苦戦が続いているものの、第3位の記事ではハワイアン航空(HA)がとうとうコナ線への就航を決定しており、日本の海外旅行の総本山ともいうべきハワイの盛り上がりが期待されます。

 座席と需要は卵と鶏とよく言われますが、やはり座席が増えれば注目も興味も増すもので、その好例が今のオーストラリアです。オーストラリアでは2015年、カンタス航空(QF)がシドニー線を成田から羽田にシフトして成田からはブリスベンに飛び、全日空(NH)が羽田/シドニー線を開設したわけですが、現地の関係者の皆様からはそれまでの伸び悩みが嘘のような活況をお聞きすることができました(リンク)。

 HAが最初にコナ線への就航計画を申請したのは2012年であったと思いますが、思う念力岩をも通す、とでも表現したくなるような執念です。もちろん、実際に持続可能な形で路線を維持するのは別の大変さがあるでしょうし、オーストラリアへの需要急増は欧州からのシフトという側面もあるものの、諦めずに働きかけ続けていくことが路線の誘致、そして旅行者の誘客にとって重要なのだと改めて感じさせる1週間でした。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年05月13日0時~05月20日18時)
第1位
世界初の国際LCCアライアンス発足、バニラなど8社加盟(16/05/16)

第2位
4月の訪日外客数は18%増の208万人、単月記録を更新(16/05/18)

第3位
ハワイアン、羽田深夜枠でコナ線就航へ、冬ダイヤで(16/05/16)

第4位
東京第1種の海外移住旅行社が破産、ブラジル旅行老舗(16/05/15)

第5位
カナダ、建国150周年へプロモ加速-RVC2016(1) (16/05/17)
カナダ各州、相互の協力体制を強化-RVC2016(2)(16/05/19)

第6位
スクート、成田/バンコク/シンガポール線開設、7月21日に(16/05/17)

第7位
日本旅行、新社長に現JR西の堀坂氏-丸尾氏は会長に(16/05/18)

第8位
ベトナム航空、今夏に茨城/ダナン、ハノイ間チャーター(16/05/18)

第9位
政府、16年のアクションプログラム発表、ビザ緩和推進など(16/05/15)

第10位
17年卒の就職人気、文系1位はJTB、2位は全日空-マイナビ調査(16/05/19)


※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
 ◆週間ランキング、1位は新約款、羽田米国線も決定(16/05/13)
 ◆人事、JTBグループ役員-6月1日付(16/05/18)