itt TOKYO2024
itt TOKYO2024

HIS、売上高・営利など過去最高、13年10月期-今期も増収見込み

  • 2013年12月15日

HIS代表取締役社長の平林朗氏 エイチ・アイ・エス(HIS)の2013年10月期(2012年11月1日~2013年10月31日)の連結業績で、売上高(※総額)は前年比11.1%増の4794億7800万円、営業利益は4.7%増の118億4300万円、経常利益は12.8%増の152億300万円となり、いずれも過去最高を記録した。当期純利益はハウステンボスの繰越欠損金をほぼ解消したために法人税などが増加した影響で、4.6%減の89億300万円となった。

 旅行事業は、売上高が5.9%増の4313億6800万円、営業利益が30.2%減の79億5200万円。減益の理由についてHIS代表取締役社長の平林朗氏は、近距離アジアへの旅行需要の低迷や円安などが影響したと説明した。

 近距離アジアでは、取扱人数が中国で10万人減の約21万人、韓国で20万人減の50万人となり、営業利益では約10億円の減少。円安は、取引先への支払いなどで「想像以上に影響が出た」といい、米ドル、ユーロ計で海外への支払いが約40億円増加した。円建てで実施している海外事業についても収益が目減りしたという。

 こうした状況の下、期間中はアジアの落ち込みを補うべく取り組みを実施。コスタ・ビクトリア号で計9回のチャータークルーズを実施したほか、ルーブル美術館やサグラダファミリアの貸切ツアーなど、HISの独自性を打ち出した商品を展開。また、60歳以上へのシニア割など、新規顧客向けのアプローチをおこなった。

 販売チャネルでは、オンラインでの「海外航空券+ホテル」を拡充したほか、全国的にショッピングセンターを中心に新たな営業拠点を設け、生産効率を重視した営業展開をはかった。団体営業では新拠点の設置や、大型案件を請け負う「インセンティブセクション」を設立し、受注体制を拡充した。

 また、国内旅行では、沖縄でオリジナルシャトルや「ドラえもんわくわくビーチ」を展開。HISオリジナルを打ち出したことが奏功し、好調に推移した。

 海外での事業では、海外発の旅行手配業務で多店舗展開を推進したほか、ポルトガルやアイルランドなど欧州に8拠点を新設し、ネパールなどにも進出。10月時点で海外の営業拠点網は51ヶ国111都市、158拠点となり、順調に拡大しているという。海外での日本や各国の旅行者の受入業務では、BtoB営業を強化した。

次ページ>>>
▽ハウステンボス好調、AAAで第3国チャーター検討も
▽14年売上高は12.4%増-クルーズや高額商品の購入増で