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ジェットスター・ジャパン、A320初号機公開-旅行会社と「末永い付き合い」

  • 2012年6月12日

A320型機(クリックで機材フォトニュースに移動) ジェットスター・ジャパン(GK)は6月12日、7月3日に就航する国内線機材として、エアバスA320型機材を報道関係者に公表した。GK代表取締役社長の鈴木みゆき氏は「安全を確保するために一切妥協しない。我々のフリートはすべて新造機を購入し、構成していく」と改めて安全性を強調。就航開始後、万が一の不具合に迅速に対応するため、予備機により定時制を守るとし、「7月3日から8月24日にかけて、慎重に段階的に就航地を増やしていく」考えを示した。

 GKは7月3日に成田/新千歳線、福岡線、7月9日に成田/沖縄線、関空線、8月24日に関空/福岡線と新千歳線を開設する計画だ。使用するA320型機は革張りのシートで座席数は180席。座席幅は45.12センチ、シートピッチは最低71センチ以上、平均73.66センチとなっている。当初はA320型機3機で就航するが、2機目はすでに各地で訓練飛行中で、3機目は6月22日に成田に到着する予定だ。

 鈴木氏によると、航空券の販売はウェブサイトやコールセンター、旅行会社経由など、多様なチャネルで展開する計画だ。旅行会社に対しては「(旅行会社の)力は否定できない。末永く付き合っていきたい」と意欲を示した。すでにジェイティービー(JTB)がパッケージツアーを発売しているが、他社とも話を進めているという。旅行会社に対し、消費者にGKについて説明するためのブローシャーや説明書などを提供することで、「旅行会社とやり取りをしやすくし、(互いに)得するパートナーとしてやっていきたい」考え。一方、ウェブサイトでの直販は「想定以上の人数から予約があった。ウェブで予約する時代が訪れているのでは」とコメントした。

 また、鈴木氏は他のLCCとの差別化として、ジェットスター(JQ)グループのブランド力と最低価格保障をあげた。JQが5年間、日本路線を運航していることで日本市場で認知されており、「ブランド力は他社に負けないくらい強い」という。

(下段中央)ジェットスター・ジャパン代表取締役社長の鈴木みゆき氏   さらに「最低価格保障をお客様にお約束している。絶対値段では負けないという自信を持っている」と料金面の優位性を強調。人件費などコストが比較的高いオーストラリア発祥の会社であるとし、「8年間、賢い運航の仕方でコストを削減してきた。それでも利益をもたらす運賃設定をし、お客様に魅力的なものを提供できる」と自信を示した。JQでは運航中に機内でごみを集めるなど、折り返し時間を短縮して機材利用の効率化をはかるための工夫を実施。GKでも折り返し時間は30分以内をめざす考えだ。

 また、コスト削減の一環として、空港に対し「今後どのように共存共栄で運航できるのかを積極的に議論していきたい」考え。成田国際空港のLCCターミナルについては「豪華な施設はまったく必要ない。安全で適当な施設を提供してほしい」と述べ、今後も意見を伝えていく。さらに、オーストラリアの空港などとは、空港へ送客数に応じたインセンティブや利用料のディスカウントなども実施していることから、成田に対しても引き続き要望していく考えだ。