入社式で社長訓示、変革期はチャンスを生む機会-努力、挑戦を

  • 2012年4月3日

 旅行大手各社の2012年度入社式が、4月2日に開催された。各社が発表した入社式での社長訓示では、東日本震災を経てさらに構造変化が進み、厳しい状況にある旅行市場の現状とともに、各社の構造改革の取り組みを説明。変革期の現在は新たなビジネスチャンスの機会であることを説き、新入社員の前例にとらわれない思考と行動力への期待が示された。各社トップの訓示は下記の通り。(訓示を発表した会社のみ。50音順)

▽旅行会社
エイチ・アイ・エス(HIS):502名入社
代表取締役社長 平林朗氏

 昨年は日本にとってもHISにとっても危機に直面した非常に厳しい1年であったが、結果として過去最高の成果を残すことができた。その要因は皆さんの1年先輩の若い力、新しい力が、逆境ともいえる中で会社の原動力になってくれたのだと実感している。

 本年度は外国人28名を含め、昨年の1.7倍の502名を新入社員として迎えた。採用数拡大の背景には様々な新規事業展開がある。テーマパーク事業の長崎ハウステンボス、アジアを中心とする事業展開、また、インバウンド事業、全日空との提携による国内旅行事業の拡大、ホテル事業、航空チャーター事業など、今後もチャレンジは続く。

 皆さんには、自分自身の人生の目標、会社での目標を、決意を新たにしっかりと定めていただきたい。会社のモットーである「明るく、元気に、楽しく」取り組む姿勢は、諦めずに継続し、努力していくためのコツでもある。皆さんの若い行動力、新鮮で柔軟な発想力が大きな力を発揮してくれると信じている。HISのゴールはまだ先にある。しかし、前に進んでいけば必ずゴールにたどり着けると信じている。


近畿日本ツーリスト(KNT):71名入社
代表取締役社長 吉川勝久氏

 昨年は東日本大震災、原発事故の影響で、過去に経験したことのないような厳しい年になった。一方、日本の復興のために旅を通じて何ができるか考え、実現したことは、KNTグループの大きな財産となり、新たな役割を創出したといえる。旅を通じて社会に貢献できるということ、そしてそのような仕事に就くことを誇りに思ってほしい。

 日本国内における旅行消費額は25兆円を超え、皆さんが想像している以上に旅行マーケットは大きい市場だ。そのなかでKNTがどう成長していくかは、皆さんを含め、社員一人一人の知恵と行動にかかっている。

 KNTには、大きなマーケットに対して知恵を絞り、行動するチャンスと結果への評価は、全社員に平等に用意されている。ぜひ、「こういうアイデアを実現したい」という気持ちを積極的に表現し、「自分のプロジェクトを立ち上げる」くらいの情熱を持って仕事にあたってほしい。新しいエネルギーの源泉となり、「世界中の人々の出会いと感動を創造し、笑顔あふれる社会の実現にチャレンジ」してくれることを期待している。