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12年の展望(4):各社LCC対応-レジャーはPKG化も、業務は消極的

  • 2012年2月3日

 2012年はピーチ・アビエーション(MM)とエアアジア・ジャパン、ジェットスター・ジャパンの日系LCC3社が本格的に事業を開始し、外国LCCも日本路線新規開設を表明するなど、その動きが活発化している。新規就航による座席の増加や新規需要の創出に期待がかかる一方、旅行会社としては、販売方法など課題もある。LCCに対し、旅行会社各社はどのような方針で臨むのか。弊誌が旅行会社に実施したアンケートから探る。


LCC、販売前向きが4割、PKGでレジャー需要の取り込みも

 旅行会社30社に聞いたLCCとの関わり方についての質問では、「すでに販売をしており、今後も積極的に販売していく」が7社、「販売はしていないが、前向きに検討している」が5社で、全体の4割が販売に前向きな意見となった。すでに販売している会社からは、ジェットスター航空(JQ)や復興航空(GE)、エアプサン(BX)、済州航空(7C)などの取扱いがあがっており、航空券の販売だけでなくパッケージ商品の造成もある。「新たなサプライヤーが増え、旅行需要喚起をはかれる」(総合旅行会社)「LCCの活発化でLCC以外の航空会社も金額面、サービス面の強化をはかっており、旅行需要自体が相乗効果で向上するのでは」(商品造成自社販売系)と、市場に対する効果も感じているようだ。

 「積極的に販売していく」とした旅行会社からは、「お客様のニーズにマッチした、サービス内容や料金を提供できる航空会社と組んでいくため」「お客様にとって有利なものについては取り扱っていく」(総合旅行会社)と、需要に適合した形でLCCの販売に取り組んでいく姿勢が示された。ある総合旅行会社では、昨年BXを利用したパッケージ商品を販売したところ、すぐに売り切れたといい、「LCCに乗ってみたいが、宿泊の予約を手間に感じる消費者などの需要を取り込めたのでは」との考えだ。今後も需要を見ながらパッケージ商品の造成を検討していくという。

 また、商品造成自社販売系の旅行会社からは「関西ではLCCも多く就航しており、安価な商品に注目が集まりやすい市場動向もあり積極的に販売しているが、関東は『まだこれからの市場』位置づけている」と、地域ごとの傾向の差を指摘する声もあった。その他、「実績のある航空会社は安心して販売できるが、まだ実績が少ない航空会社が突然の就航中止などで乗客に迷惑をかける可能性を考慮し、慎重な姿勢でいる」との意見もあった。