週間ランキング、1位は全日空のA380、KNT-CTウェブ戦略とウルルも

  • 2018年11月30日(金)

[総評] 今週の1位は、全日空(NH)のA380型機に関する続報が入りました。来年5月24日から順次投入し、最終的には週10便を同機材で運航する計画とのことです。詳細については記事もありますし、今さらそのインパクトについてここで書く必要はない気もしますが、それにしても1便あたり520席、エコノミークラスだけで383席というのは、金づちで頭を殴られるような破壊力を感じます。

 扱い方を間違えれば大きな損失をもたらすという意味では「両刃の剣」と言ったほうが正確かもしれませんが、いずれにしても来年の旅行業界にとって主要な関心事のひとつであることは間違いありません。

 NHの流通戦略というと、今風な表現をすれば旅行会社への「塩対応」が印象的ですが、A380型機だけでも週10便で5200席、年間で27万席超となるレジャーデスティネーションへの座席をどう売っていくかという問題となると、必ずしも同じスタンスは維持できない可能性があります。ハワイに限っては20世紀型の販売施策で行くというような噂話も聞こえてきますが、火のないところに煙が立っているのかどうか気になるところです。

 続いて2位に入ったのは、KNT-CTホールディングス内でオンライン販売を担うKNT-CTウエブトラベルについての記事です。総務省の調査によると13年に39.1%であったスマートフォンの保有率は16年に56.8%となっているそうで、それから2年が経過した今はさらに上昇していることは間違いないと思いますが、そのような世界にどう対応するかはすべての会社にとって課題であり、予想通り皆様のご興味にもお応えできたものと感じています。

 率直な感想としては、「Webファースト」のスローガンが「Webプラス」に変わっていて、その理由は社員の意見を聞いて「ウェブだけに注力すれば良いわけではない。今まで通り、パンフレット販売や提携店での販売にもきちんと取り組んだ上でウェブを追加していこう」と判断したため、というお話はトーンダウン以外のなにものでもないと思いますが、7000人近い社員数を抱え、取引先も多数ある企業としてはやむを得ないのかもしれないとも感じます。

 おそらく、Web戦略の推進を担う側からすれば足かせに感じられることもあるはずですし、痛みを伴わない大改革というのも難しいはずで、本当に求められている役目を果たすためには最終的に当初の精神に近いところまで攻めていかざるを得ないはずです。しかし、例えば東京と地方とでは状況も大きく異なるでしょうし、そのあたりはあえて玉虫色の選択をすることが正しいのかもしれません。

 このほか3位には、来年10月26日に登山が禁止となるウルル(エアーズロック)についてのレポートがランクインしました。自分が書いたものを殊更に取り上げるのもいかがなものかとは思いますが、正直なところもう少し読まれない気がしていたので驚きました。それだけ登山禁止を心配されている方が多かったのだとすると、レポートで少しでもご懸念が解消できていれば書き手冥利に尽きます。

 ウルルを目の前にして、これは日本にあってもきっと同じように畏怖や信仰の対象になって鳥居やしめ縄によって飾られていたかな、と妙なことを考えていましたが、つまりその存在自体に絶対的な価値が感じられたのであって、それの感覚からすれば登山の有無は誤差にもならない程度です。

 また視点を変えてみると、ウルルができてからの年月は7000万年、これに対して日本からの旅行者が登山をしてきたのは100年にも達しませんし、西洋人による「発見」からでも150年未満で、そう考えれば登山禁止などスケールの小さな話と思えてこないでしょうか。せっかくのウルルがデスティネーションのリストから消える、などというもったいないことのないように願うばかりです。(松本)

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