全国知事会、地方創生に向け緊急提言、東京五輪視野に

  • 2016年8月22日(月)

(左から)観光庁長官の田村明比古氏、全国知事会で「スポーツ・文化・観光プロジェクトチーム」のリーダーを務める宮崎県知事の河野俊嗣氏  47都道府県の知事で組織する全国知事会はこのほど、「スポーツ・文化・観光振興施策についての提言」と、そのなかでも特に強く要望する「緊急提言」を取りまとめ、観光庁や文部科学省、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部などに提出した。2020年の東京五輪の経済効果を全国に波及させ、大会後も地域の資源を活用した取り組みを継続し、地方創生を実現するための施策をまとめたもの。五輪開催に関する要望を軸に、訪日外国人旅行者の受入促進のための支援などを求めた。

 提言では観光分野について「他産業に広く影響を及ぼす地域経済の主要な担い手であり、地方創生・日本成長の切り札」と明記。その上で「受入体制・環境整備」「魅力あるコンテンツの充実と情報発信」「地方の取り組みへの支援」の3つの項目を柱として、政府が支援すべき施策を列挙した。「緊急提言」としては、地方が施策を実施するための「必要かつ十分な新たな財源の確保」のほか、地方空港におけるCIQなどの機能強化、新幹線や高速道路などの高速交通網の整備促進と活用による「地方創生回廊」の完備、広域観光周遊ルートの形成などを求めた。

 3本の柱の1つである「受入体制・環境整備」については、地方が取り組む多言語の観光案内標識、無料公衆無線LANの整備、宿泊施設や文化施設におけるクレジットカードの利用拡大、人材育成への支援などを要望。また、訪日クルーズ旅客の受入拡充、交通系ICカードの利用拡大と利便性の向上なども課題として盛り込んだ。

 「地方の取り組みへの支援」については宿泊需要の分散化を求めたほか、外国人のニーズの高い日本家屋などの空き家を活用した多様な宿泊サービスの提供に向けて、規制や制度を適宜見直すことを要求。また、観光人材の育成やMICE誘致促進などの「強力」な推進、温泉街や観光地を一体的に再生する「観光地再生・活性化ファンド(仮称)」の全国展開のための体制整備の検討なども必要とした。

 「魅力あるコンテンツの充実と情報発信」については、日本版DMOの形成・確立の支援と、DMOが自主的かつ安定的に財源を確保できる制度の創設を要望。特に人材・資金面に乏しい農山漁村地域のDMOの支援にあたっては、「地方創生の観点から十分に考慮すること」とした。また、震災の影響で観光客が十分に戻っていない東北地方や九州地方については、訪日外国人旅行者の増加に向け、政府主導のプロモーション実施などによる情報発信の強化を求めた。

 そのほか、東京五輪の開催に関する項目では「訪日外国人旅行者を全国各地へと誘導する施策」を積極的に講じるべきとし、大会開催期間やその前後を対象とする「低廉な陸・海・空の周遊フリーパスの創設」などを提案。まちづくりに関する項目では、「文化を活かしたまちづくりの推進」として、有形・無形文化財などの地域資源を活用した観光振興に向けた取り組みなどへの支援の強化を求めた。

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