「旅行をあきらめない」ドラ息子、要介護者へ夢を届ける-ハンディネットワーク インターナショナル代表 春山哲朗氏(前編)

亡父、春山満氏の医療・介護業界革命からグッドタイム トラベルが生まれるまで

  • 2020年9月30日(水)
ハンディネットワーク インターナショナル代表 春山哲朗氏

 「車いす社長」として介護・福祉業界の第一線で活躍し、メディアにも多数取り上げられた春山満氏をご存知の方も多いのではないだろうか。春山氏の長男で事業を引き継いだ春山哲朗氏は、「要介護者・要支援者ツーリズム」という形で旅行業界に参入し、コロナ禍中にもクラウドファンディングを成功させ、旅行に関わる新しいサービスを提供している。
 父の影から逃れ、ラスベガスのカジノで遊びまわっていたドラ息子は、いかにして要介護者・要支援者、そしてその家族の夢を叶える仕事を始めるに至ったのか。旅行・観光業界に思う今後の課題や旅行事業の展望を含めて話を伺った。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

-まず、御社の成り立ちをお聞かせください

春山哲朗氏(以下、敬称略) 弊社の前身は私の父、春山満が1988年に開業した「福祉のデパート」です。1954年生まれの父は24歳で進行性筋ジストロフィーを発症し、数年後に首から下の運動機能をすべて失いました。その経験の中で、日本の医療・介護業界がビジネスとして成り立っていないことを感じ、そこに事業の活路を見出したといいます。

 公的介護保険が整備されておらず、当事者自身が福祉に関連する商品を選べるサービスもなかった時代に、父は「スプーン1本からエレベーターまで」をコンセプトに、世界中から商品を集めて販売し、住宅改修まで行っていました。当時ほとんど売れていなかった松下電工のホームエレベーターを日本で一番販売し、メーカーの方が興味を持って勉強に来られたというエピソードが残っています。

 しかし、3年ほどで事業が軌道に乗ると、父はあっさりと会社を売却しました。そして1991年、新たにハンディネットワーク インターナショナルを設立し、介護や医療に関わる商品の開発、販売を始めます。高齢者施設で使用する入浴機械や、介護者が被介護者と向かい合って食事の補助をすることができる花びら型のテーブルなど、それまで「作業」になっていた介護の現場を人間らしいものに変えていくためのオリジナル商品を次々と発表しました。

父・春山満氏とのハワイ旅行

 他方、父は病院や高齢者施設に出入りする中で、商品だけではなく暮らしそのものを支えなければ介護の世界を変えることはできないという思いを強くし、施設の経営まで入り込むコンサルティング事業にも乗り出しました。2005年にはオリックス不動産株式会社との共同出資のもと、高齢者住宅運営会社のオリックス・リビング株式会社(現グッドタイムリビング株式会社)を設立。高齢者施設の設立からオペレーションまでを手掛けるこの事業は、施設の入居者を「利用者」から「お客様」へと変える、高級有料老人ホームの先駆けとなりました。

 2014年2月に父が他界。私が社長に就任し、これまでの事業に加え、旅行事業と外国人介護士の育成・紹介事業を開始しました。旅行事業グッドタイム トラベルでは、要介護度3~5の方とそのご家族に向けた「家族旅行」を提案しています。

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